人事労務システムの開発・導入ガイド|カスタム開発が必要なケースと進め方

人事労務システムの見直しを検討したとき、多くの担当者が最初に直面するのは「SaaSを入れればいい」という期待と、「自社の就業規則に本当に対応できるのか」という不安のギャップです。
クラウド型の人事労務SaaSは手軽で機能も充実しており、中小企業を中心に導入が進んでいます。しかし、フレックスタイム制・変形労働時間制・シフト制・業務委託が混在している、複数拠点で就業規則が異なる、既存の基幹システムと自動連携したい——こうした要件を持つ企業では、SaaSの標準機能では対応しきれないケースが少なくありません。
かといって「ではカスタム開発しよう」と進めれば、初期費用は数百万円から、保守コストも継続的に発生します。本当にカスタム開発が必要なのか、それともSaaSのカスタマイズ設定で対応できるのか——この判断を間違えると、後で「やり直し」になる可能性があります。
この記事では、人事労務システムの全体像を整理したうえで、自社がSaaS導入とカスタム開発のどちらを選ぶべきかの判断基準、カスタム開発を選んだ場合の注意点と進め方、費用感まで実務的に解説します。

目次
失敗しないためのシステム開発の考え方と開発パートナー選定チェックリスト

この資料でわかること
こんな方におすすめです
人事労務システムとは?管理できる5つの領域
人事労務システムとは、企業の人事・労務に関する業務をデジタル化・自動化するシステムの総称です。カバーする領域は広く、以下の5つに大別できます。
勤怠管理(出退勤・残業・有給)
従業員の出退勤記録、残業時間の集計、有給休暇の取得状況を管理します。タイムカードや交通系ICカード、スマートフォンからの打刻と連携し、リアルタイムで勤務状況を把握できます。
フレックスタイム制や変形労働時間制など複雑な勤務形態では、コアタイムやフレキシブルタイムの設定、清算期間ごとの労働時間計算が必要になります。就業規則が複雑な企業ほど、このモジュールの要件が高くなります。
給与計算・明細配布
月次の給与計算、社会保険料・所得税の控除、賞与計算、年末調整などを処理します。給与明細の電子化(ペーパーレス)にも対応するのが一般的です。
給与計算は税法・社会保険法と直結しており、法改正のたびに計算ロジックの更新が必要になります。
人事評価・目標管理
OKR・MBOなどの目標設定から評価シートの配布・回収・集計まで、評価プロセスをデジタル化します。評価結果を給与・賞与テーブルと連携させることで、人事決定のデータ化が可能になります。
採用管理(応募から入社手続きまで)
求人票の管理、応募者情報の一元管理、選考フローの進捗管理、内定通知・入社手続き書類のペーパーレス化をカバーします。外部の採用媒体との連携機能を持つ製品も多いです。
労務手続き(社会保険・雇用保険・マイナンバー)
入退社に伴う社会保険・雇用保険の手続き、雇用契約書の電子化、マイナンバーの収集・管理・提供を行います。e-Gov(電子政府の総合窓口)と連携し、行政への届出を電子申請できる機能も重要です。
これら5つの領域は互いにデータを共有し合います(例:勤怠データが給与計算に流れる)。どの領域を一つのシステムで統合するか、どれを別システムと連携させるかが、システム設計の核心になります。
SaaS導入 vs カスタム開発:自社はどちらを選ぶべきか
人事労務システムの選択肢は大きく3つあります。
- クラウド型SaaS: SmartHR、freee人事労務、マネーフォワード クラウド人事などのサービスを契約して利用する
- パッケージソフト(オンプレミス): 自社サーバーにインストールして使う既製品
- カスタム開発(スクラッチ): 自社の要件に合わせて一から開発する
今日の多くの企業にとって選択肢の中心は「クラウドSaaSかカスタム開発か」です。では、どちらを選ぶべきか。以下に判断基準を示します。
SaaS導入が適しているケース
就業規則がシンプルな場合 正社員・パートを含む一般的な就業形態で、フレックスタイム制や変形労働時間制の設定が標準的な範囲に収まるなら、SaaSの設定機能で対応できることがほとんどです。
従業員数が比較的少ない場合(〜300名程度) SaaSのライセンス費用は従業員数に比例します。300名程度までであれば月額コストが抑えられ、カスタム開発の初期費用(数百万円)と比較しても、5年間のTCO(総所有コスト)でSaaSが有利なケースが多いです。
スピード重視・初期コストを抑えたい場合 SaaSは契約後すぐに使い始められます。システム開発には半年〜1年程度の期間がかかるため、急ぎの対応が必要な場合はSaaSが現実的な選択です。
IT専任者がいない場合 システム保守・法改正対応・セキュリティパッチの適用はすべてSaaSベンダーが担います。社内にシステム管理者を置けない中小企業にとって、これは大きなメリットです。
カスタム開発が必要になるケース
就業規則が複雑・独自ルールが多い場合 市販のSaaSには「設定できるルールの上限」があります。例えば、以下のようなケースではSaaSの標準設定では対応できない場合があります。
- 部署ごとに異なるフレックスタイム制(コアタイムが異なる)
- 雇用形態が5種類以上あり、それぞれ有給休暇の発生・付与ルールが異なる
- 特定の業界規制(医療・建設など)に基づく独自の勤務ルール
- 外国人労働者・海外拠点の管理を含む多国籍対応
既存の基幹システムとの連携が必須な場合 会計システム・ERPシステムとリアルタイムで自動連携したい場合、SaaSの連携APIでは要件を満たせないことがあります。特に、自社独自のデータ形式を持つレガシーシステムとの連携は、カスタム開発のほうが確実に対応できます。
従業員規模が大きく、SaaSのライセンス費用がかさむ場合 従業員1,000名以上の企業では、月額300〜700円/人のSaaSライセンス料が年間数百万円規模になります。この規模になると、カスタム開発の初期費用を5〜10年で割り算したコストと同等以下になるケースが出てきます。
業界特有の法規制への対応が必要な場合 医療機関の36協定上限規制(2024年4月から厳格化)、建設業の特別な残業規制、運送業の改正など、業界特有の制約がある場合は、専用の計算ロジックが必要になることがあります。
判断のための3つの質問
迷ったときは、以下の3つの質問で自社のケースを確認してください。
質問1: 就業規則に「市販パッケージで設定できないルール」はあるか? 現在の就業規則を人事担当者・社労士と確認し、「SaaSの設定画面でこのルールを再現できるか」を複数のSaaSベンダーに問い合わせてみましょう。「対応できない」と言われた要件がある場合、その要件を諦めるか、カスタム開発を検討する必要があります。
質問2: 他のシステムとの自動連携は必須か? 会計・給与・ERPなど既存システムとのリアルタイム自動連携が必須なのか、それとも月次のCSVエクスポート・インポートで対応できるのかを整理してください。後者であれば、多くのSaaSで対応可能です。
質問3: 5年間のTCOはどちらが安いか? SaaSの場合: 月額コスト × 12ヶ月 × 5年 + 初期費用 + カスタマイズ費用 カスタム開発の場合: 初期開発費用 + 月次保守費用 × 60ヶ月 この試算を行ったうえで判断することをおすすめします。
カスタム開発すべき領域の見極め方
「カスタム開発が必要」と判断した場合でも、すべての機能を自社開発する必要はありません。
すべてをカスタム開発する必要はない
人事労務システムの5つの領域のうち、自社固有の要件が強い部分だけをカスタム開発し、残りはSaaSや既製品を活用する「ハイブリッド構成」が現実的かつコスト効率の良い選択肢です。
例えば「勤怠管理だけカスタム開発して、給与計算と採用管理はSaaS」という構成は十分に成立します。各システムをAPIで接続し、データを自動連携させることができます。
カスタム開発が特に効果的な3つの領域
1. 勤怠管理(複雑な就業規則への対応) 就業規則の複雑さが最も出やすい領域です。フレックス・変形労働・シフト管理を組み合わせる場合、SaaSの設定で賄えない「計算ロジックの壁」にぶつかりやすい。カスタム開発であれば、どれほど複雑なルールも実装できます。
2. 基幹システム連携(ERPとの自動データ連携) 会計・経費精算・プロジェクト管理などの基幹システムとのリアルタイム連携は、SaaSのAPI制約に引っかかることがあります。自社開発の連携モジュールを作れば、独自フォーマットのデータも柔軟に処理できます。
3. レポーティング(自社独自の分析・集計要件) 残業時間の部門別傾向、有給取得率の推移、採用コスト対効果など、経営判断に直結する独自の集計・可視化が必要な場合は、カスタム開発のほうが対応しやすいです。
SaaSとカスタム開発を組み合わせるハイブリッド構成
代表的なハイブリッド構成の例を示します。
パターンA(勤怠カスタム、その他SaaS)
- 勤怠管理: カスタム開発(複雑な就業規則に対応)
- 給与計算: 給与計算SaaS(マネーフォワード クラウド給与等)
- 採用管理・労務手続き: 人事労務SaaS(SmartHR等)
- データ連携: カスタム勤怠 → SaaS給与計算へAPI連携
パターンB(全機能統合カスタム) 複数の基幹システムと密接に連携が必要な場合、すべてをカスタム開発で統合するほうが、長期的な保守コストを抑えられるケースもあります。ただし初期開発費用が高くなるため、従業員規模が大きい企業(500名以上)での検討が現実的です。
開発時に押さえておきたい注意点
カスタム開発を進める際に、見落としがちだが重要な4つの注意点を解説します。
法改正対応の仕組みを最初から組み込む
人事労務システムに関連する法律は頻繁に改正されます。近年の主な改正例:
- 2024年4月: 医師・建設・運送業の36協定特別条項の上限規制強化
- 2024年10月: 育児介護休業法改正(産後パパ育休の周知義務等)
- 2024年12月: 社会保険の適用拡大(従業員数51名以上の企業)
- 2025年施行: 育児・介護休業法の改正(子の看護休暇の拡充等)
法改正のたびにシステム改修が必要になる場合、「改修費用をどこに負担させるか」を開発契約時に明確にしておくことが重要です。
推奨するアプローチは「法改正対応を含む年間保守契約」の締結です。月額の保守費用の中に、法改正対応の工数をある程度込みにすることで、将来のコストを予測しやすくなります。
また、計算ロジックを設定値で変更できる「パラメータ化」された設計にしておくと、コードを変更せずに法改正対応できるケースが増えます。
マイナンバー管理のセキュリティ要件
人事労務システムにはマイナンバーが含まれます。マイナンバーの取り扱いには、個人情報保護委員会が定めた「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」への準拠が義務付けられており、開発時に以下を実装する必要があります。
必須のセキュリティ機能
- アクセス制御: マイナンバーにアクセスできるユーザーの権限管理(担当者のみ)
- 操作ログ: マイナンバーへのアクセス・変更履歴の記録・保存(5年以上)
- 暗号化: データベースでのマイナンバーの暗号化保存
- 不要時の削除: 退職後一定期間を経た後の確実な削除・廃棄
- 安全管理措置: 物理的・技術的・組織的・人的安全管理措置の実施
マイナンバーの取り扱いは社労士や弁護士の確認が必要な領域です。開発会社だけで判断せず、専門家との連携を推奨します。
各種届出の電子化対応(e-Gov連携)
社会保険・雇用保険の手続きをシステムから電子申請できるようにするには、e-Gov電子申請APIとの連携開発が必要です。
現在、以下の手続きが電子申請の対象となっています。
- 健康保険・厚生年金保険の資格取得・喪失届
- 雇用保険の資格取得・喪失届
- 労働保険の年度更新・概算保険料申告
電子申請対応は開発工数が比較的大きい機能です。「まず基本機能を作り、電子申請対応は第2フェーズ」という段階的な開発計画が現実的な場合もあります。
人事データのセキュリティ・バックアップ設計
人事データは個人情報保護法上の「要配慮個人情報」(健康診断結果等)を含む可能性があります。以下を設計段階で考慮してください。
- データの保管場所: クラウドの場合はリージョン(国内データセンター)の指定が推奨
- バックアップ: 定期バックアップと復元テストの仕組み
- データ保管期間と削除ポリシー: 退職者情報の保持期間(一般的に最終の労働関係書類は5年)
- 不正アクセス対応: 侵害検知・通知の仕組み
導入プロジェクトの進め方
人事労務システムの導入プロジェクトは、「要件定義」の品質で成否が決まります。以下のフェーズに従って進めてください。
フェーズ1:要件定義(最も重要な工程)
要件定義が甘いと、開発の途中で「追加要件」が多発し、コストと期間が膨らむ原因になります。
現行の就業規則・業務フローの棚卸し
まず「現在どうしているか」を完全に文書化します。以下を整理してください。
- 就業規則の全文(本則・別紙・細則を含む)
- 雇用形態の一覧と各形態の勤務ルール
- 現在の給与計算フロー(何の数値をどこから取得するか)
- 社会保険・雇用保険手続きの現状フロー
- 既存システムの一覧とデータ連携の現状
経営・人事・現場の三者ヒアリング
要件は一部門の声だけで決めないことが重要です。経営者は「将来の組織拡大に対応できるか」、人事担当者は「日常業務が楽になるか」、現場管理者は「部下の勤怠確認・承認が使いやすいか」というそれぞれの視点があります。
「あったらいいな」と「必須」の仕分け
すべての要望を実装しようとすると開発費用が膨らみます。要件をMust(必須)・Should(できれば)・Nice to have(あれば嬉しい)の3段階に分類し、初期リリースのスコープを絞ることで、コストと開発期間をコントロールしてください。
要件整理チェックリスト(簡易版)
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 雇用形態 | 正社員・パート・業務委託等の種類と各勤務ルール |
| 勤務形態 | 固定・フレックス・シフト・変形労働時間の種類 |
| 残業ルール | 法定残業・所定残業の計算ルール、みなし残業の有無 |
| 有給休暇 | 付与条件・時間単位取得・半日取得の可否 |
| 給与計算 | 基本給・各種手当・交通費・社会保険料の計算仕様 |
| 既存システム連携 | 連携必須のシステム名と連携データ仕様 |
| マイナンバー | 収集・管理・提供のフローと責任者 |
| 届出電子化 | e-Gov対応が必要な手続きの一覧 |
| 利用者権限 | 従業員・管理者・人事担当・経営者の閲覧・操作権限 |
| データ移行 | 移行が必要な既存データの種類と量 |
フェーズ2:ベンダー選定・設計
RFP(提案依頼書)の作成
要件定義の成果物をもとにRFPを作成し、複数の開発会社に見積もりを依頼します。RFPには機能要件・非機能要件(性能・セキュリティ・可用性)・スケジュール・予算・保守体制の要件を含めてください。
開発会社の選定基準
人事労務システムの開発会社を選ぶ際は、以下を確認してください。
- HR系業務システムの開発実績(人事・勤怠・給与関連のシステム)
- 法改正対応の実績と保守体制
- セキュリティ対策(個人情報保護・マイナンバー管理の経験)
- 開発手法(アジャイル vs ウォーターフォール)と要件変更への対応方針
- 長期保守・機能追加の実績
関連記事: 業務システムとは?開発のメリット・デメリットや他システムの違いを解説
フェーズ3:開発・テスト
ユーザー受入テスト(UAT)の重要性
開発会社のテストが終わった後、実際に使う人事担当者が「自社の就業規則通りに計算されるか」を確認するUATは必須です。特に以下のケースを重点的にテストしてください。
- 複数の雇用形態が混在するケース
- 月をまたぐ残業・休暇計算
- 法定休日・振替休日の扱い
- 育児休業中・産休中の社会保険計算
並行稼働期間の設置
新システムの稼働開始直後は、既存システムと並行して運用する期間(1〜3ヶ月程度)を設けることをおすすめします。特に給与計算では「ダブルチェック」により計算ミスを防げます。
フェーズ4:移行・運用開始
データ移行の注意点
既存システムのデータ品質確認(入力漏れ・不整合の有無)は移行前に必ず実施してください。マイナンバーの移行は特にセキュリティに注意が必要で、暗号化された状態での移行と、移行後の元データの確実な削除が必要です。
従業員への操作研修
システム導入の失敗原因の多くは「現場での使い勝手の悪さ」です。管理者向け・一般従業員向けの研修資料を準備し、Q&Aを集約する窓口を設けることで、スムーズな定着を支援してください。
開発・導入の費用感
SaaS導入の費用
| 費用項目 | 概算 |
|---|---|
| 初期費用 | 無料〜50万円程度 |
| 月額利用料 | 300〜700円/人(100名の場合: 3〜7万円/月) |
| 初期設定・カスタマイズ | 10〜30万円 |
| 5年間TCO(100名規模) | 200〜600万円 |
カスタム開発の費用
| 費用項目 | 概算 |
|---|---|
| 初期開発費用 | 300〜1,000万円(規模・要件による) |
| 月次保守費用 | 10〜30万円/月 |
| 法改正対応(年1〜2回) | 50〜200万円/回(保守契約に含む場合あり) |
| 5年間TCO | 900〜2,800万円 |
費用の詳細は、要件・規模・開発会社によって大きく変わります。複数社から見積もりを取ったうえで比較することをおすすめします。
関連記事: システム開発の費用相場は?抑えるコツや開発会社を選ぶポイントを解説
作業時間削減
システム化を通して時間を生み出し、ビジネスの加速をサポートします。
システム開発が可能に
秋霜堂株式会社に人事労務システム開発を依頼するメリット
秋霜堂株式会社は、業務システム開発を専門とするシステム開発会社です。人事労務システムをはじめとする業務システムの開発・導入支援において、以下の強みを持っています。
複雑な業務ロジックの実装経験
これまでに、動画校正システム・SNSマーケティング支援SaaS・アパレル品質管理システムなど、業界固有の複雑な業務ロジックを持つシステムを開発してきました。就業規則が複雑で「どう実装すればいいか」という設計から伴走します。
要件が固まっていない段階からの対応 「何から始めればいいかわからない」という状態からでも、現状業務の棚卸し・要件定義から支援します。人事担当者・社労士・経営者との三者ヒアリングをファシリテートし、本当に必要な要件を整理するプロセスをサポートします。
法改正対応を含む継続的な保守サポート
リリースで終わりではなく、その後の保守・機能追加・法改正対応まで継続的にサポートする体制を整えています。「TechBand(テックバンド)」のサービスモデルでは、社内にシステム開発部門を持つのと同等の体制を月額費用で提供します。過去の導入事例では「社内にシステム開発部門ができたようだ」という評価をいただいています。
人事労務システムのように法改正対応が継続的に必要なシステムでは、この継続的な保守体制が特に重要です。
アジャイル開発による柔軟な対応
週次定例・リアルタイムチャット対応により、開発途中の要件変更にも柔軟に対応します。「要件定義を完全に固めてから開発する」ウォーターフォール型ではなく、プロトタイプを早期に作り、フィードバックを反映しながら完成度を高めるアジャイル型の開発を基本としています。
人事労務システムのような「使ってみないと分からない要件」が出やすいプロジェクトに適したアプローチです。
まとめ:人事労務システム選択の判断フレームワーク
本記事のポイントをまとめます。
意思決定の3ステップ
ステップ1: 現状の就業規則・業務要件を整理する まずは現在の就業規則・雇用形態・既存システムとの連携要件を文書化します。この棚卸しなしには、SaaSかカスタム開発かを正しく判断できません。
ステップ2: SaaSで対応できるか、複数ベンダーに確認する 整理した要件を持って、3〜5社のSaaSベンダーに「この要件をカバーできるか」を確認します。「対応できない」と言われた要件が自社にとって本当に必須かを判断します。
ステップ3: カスタム開発の範囲と5年間TCOを試算する SaaSで対応できない要件がある場合、「全面カスタム開発」か「ハイブリッド構成(コア部分のみカスタム)」かを検討し、5年間のTCOを試算して判断します。
要件整理チェックシート
| 判断軸 | SaaS有利 | カスタム開発有利 |
|---|---|---|
| 就業規則の複雑さ | シンプル | 複雑・独自ルール多数 |
| 従業員規模 | 〜300名 | 500名以上 |
| 既存システム連携 | CSVで対応可 | リアルタイム連携必須 |
| 初期コスト | 低く抑えたい | 初期投資可能 |
| 保守体制 | ベンダー任せでOK | 内製または外部パートナーあり |
| 法改正対応 | SaaSが自動対応 | 継続保守契約で対応 |
人事労務システムは導入して終わりではなく、法改正・組織変化・ビジネスの変化に合わせて継続的に進化させていく必要があります。SaaS・カスタム開発どちらを選ぶにせよ、長期的な保守・運用体制を含めて選択することが成功の鍵です。
失敗しないためのシステム開発の考え方と開発パートナー選定チェックリスト

この資料でわかること
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