フリーランスエージェントに登録したのに、なかなか案件が来ない。そんな悩みを抱えていませんか?
エージェントは確かに便利なサービスです。しかし、「案件が来るのをひたすら待つ」という受け身の姿勢になりがちで、特に複業・副業として案件を探しているエンジニアにとっては、マッチングのスピードや案件の選択肢に不満を感じることも多いでしょう。
実は、エージェントに頼らずとも案件を獲得する方法はいくつもあります。フリーランス協会の「フリーランス白書2023」によると、フリーランスが最も収入を得た仕事の獲得経路は「人脈」が33.6%、「過去・現在の取引先」が33.5%で、エージェントサービス(12.4%)を大きく上回っています(フリーランス協会・フリーランス白書2023)。
つまり、自分から積極的に動くことが、安定した案件獲得の近道なのです。
本記事では、フリーランスエンジニア・複業希望者が「エージェントなし」で案件を自力獲得するための具体的な5つの方法と、継続して案件を取り続けるためのコツを解説します。「エージェント待ち」から脱却し、自分で案件をコントロールできるようになりましょう。
エージェント以外の案件獲得ルートが必要な理由
フリーランスエージェントは、案件を紹介してもらえる便利なサービスです。しかし、エージェントだけに頼り続けることには、いくつかの落とし穴があります。
エージェントへの依存が生む3つのリスク
- 待ちの姿勢になる: エージェント経由の案件は「来るのを待つ」スタイルになりがちです。案件が途切れると収入がゼロになるリスクがあります。
- 中間マージンが発生する: エージェント経由では、報酬の10〜30%程度が手数料として引かれることが一般的です。直接契約なら、その分を自分の報酬に充てられます。
- 複業・副業エンジニアには不向きな場合がある: 多くのエージェントは独立フリーランスを対象としており、会社員のままで副業・複業として案件を探す場合は、対応してもらえないケースもあります。
こうしたリスクを避けるためにも、エージェント以外の案件獲得ルートを複数持っておくことが大切です。特に複業・副業として案件を獲得したい方にとっては、「自分から動ける」ルートが欠かせません。
複業エンジニアがエージェントなしで案件を取る5つの方法

SNS(X・LinkedIn)での情報発信と案件受注
SNSは、自分のスキルや活動を発信し、直接クライアントにアプローチできる強力なツールです。営業が苦手なエンジニアでも、発信を続けることで自然と案件依頼が来るようになります。
Xで仕事を取るための具体的な手順
- プロフィールを整える: 「何ができるエンジニアか」が一目でわかるプロフィールを作りましょう。技術スタック、得意なこと、業務委託の受付状況を記載します。
- ハッシュタグで案件を探す: X上で「#エンジニア募集」「#副業エンジニア募集」「#業務委託募集」などのハッシュタグを検索すると、企業や個人からの案件募集が見つかることがあります。
- 固定ツイートを活用する: 自分のスキルや実績をまとめた投稿を固定ツイートにしておくことで、プロフィールを見たクライアントが依頼しやすくなります。
- スケジュールを定期的に投稿する: 「〇月まで稼働可能です」「今月あと2〜3件受けられます」と定期的に投稿することで、案件を依頼したいクライアントが動きやすくなります。
LinkedInを活用した案件獲得
LinkedInはビジネスSNSとして、外資系企業や上場企業の担当者とつながりやすいプラットフォームです。日本でのフリーランス案件獲得においても活用が増えています。ポジティブなコメントをした人へのコネクション申請や、技術情報・経験談の投稿がコネクション拡大につながります。
DM送信時は、テンプレート感のない文章で送ることがポイントです。「いきなりの連絡失礼します」という前置きを入れ、自分が連絡した理由と「何ができるか」「どんな課題を解決できるか」を具体的に伝えることで、返信率が上がります。
複業・副業向けプラットフォームの活用
フリーランスエージェントとは異なり、「自分から案件を探して申し込む」タイプのプラットフォームを活用する方法があります。
エージェント型と違うのは、仲介者を通さず企業と直接コミュニケーションを取れる点です。案件の条件交渉や稼働時間の調整なども自分で行えるため、より自分のライフスタイルに合った案件を見つけやすくなります。
複業クラウドのようなマッチングプラットフォームでは、中間マージンなしで企業と直接契約ができます。80職種以上の案件を扱っており、エンジニアからのスカウトを受け取る仕組みもあります。こうしたプラットフォームを活用することで、自分のペースで案件を探し、稼働量を調整しながら複業に取り組みやすくなります。
プロフィールを充実させることがポイントです。スキルセット、過去の実績(GitHubのリポジトリURL、ポートフォリオサイト)、希望する稼働量・時間帯・単価などを具体的に記載することで、企業からのスカウトが届きやすくなります。
企業への直接営業
「エージェントなしで案件を取る」方法として、企業への直接営業は最も単価を高くしやすい方法の一つです。中間マージンが発生しないため、同じ仕事内容でも手取り額が増えます。
ターゲット企業の選び方
自分の技術スタックと親和性の高い業界・規模の企業を選びましょう。たとえばバックエンドエンジニアであれば、SaaSを提供しているスタートアップや中小企業のシステム担当者が対象になります。
ポートフォリオの準備
直接営業では、スキルや実績を見せられる「ポートフォリオ」が必須です。GitHubのプロフィールに代表的なリポジトリを整理し、成果物のURLやREADMEを充実させておきましょう。個人開発のアプリや、過去の業務で担当した技術領域(詳細は開示できない部分は除く)をまとめたページを作っておくと効果的です。
最初の連絡の書き方
企業のホームページや問い合わせフォームから連絡する際は、以下のポイントを押さえましょう。
- 自分が何ができるエンジニアかを一言で説明する
- 相手企業の事業や課題に触れ、「なぜ御社に連絡したか」を伝える
- ポートフォリオ・実績のURLを添付する
- 「まずはお話を聞かせていただけますか」という提案型の姿勢で締める
一方的な売り込みは逆効果です。「自分を雇ってください」ではなく「御社の課題解決にお役に立てるかもしれません」という姿勢を意識しましょう。
人脈・紹介ルートの活用
フリーランス白書2023のデータが示すとおり、人脈(33.6%)と過去・現在の取引先(33.5%)からの案件が最も多くなっています。関係性ができているため信頼度が高く、条件交渉もスムーズに進むことが多いです。
具体的な活用方法
- 前職・現職の同僚・上司への声かけ: 「副業としてお手伝いできることがあれば声をかけてください」と伝えておくだけで、将来の案件につながることがあります。
- 勉強会・コミュニティへの参加: 技術勉強会やハンズオンイベントに参加し、そこで知り合ったエンジニアや企業担当者との関係を築きましょう。
- GitHubのコントリビューション: OSSへの貢献やGitHub上での技術発信は、他のエンジニアや企業の目に留まるきっかけになります。
紹介依頼の切り出し方は、「突然ですが、副業として業務委託の案件を受け始めました。もしお知り合いで開発リソースを求めている方がいれば、紹介していただけると嬉しいです」という一言で十分です。
クラウドソーシングでの実績積み上げ
クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングは、単価が低めの案件が多いという難点がありますが、「実績がない段階で最初の一歩を踏み出す」には最適な方法です。
クラウドソーシングで実績と評価を積み上げた後、その実績を活かして直接営業やSNS発信に移行するという戦略が有効です。特にエンジニアとしての副業を始めたばかりの方や、これまで自己PR・営業経験がない方は、まずクラウドソーシングで「案件を受けた実績」を作ることをおすすめします。
ポイントは「クラウドソーシングだけに留まらない」ことです。実績ができたら、SNS発信や直接営業など他のルートに展開していきましょう。
エージェントなしで案件を継続的に取るための3つのコツ

案件獲得のルートを作ったら、次は「継続して案件が取れる仕組み」を作ることが大切です。
コツ1: 複数のルートを並行して試す
単一のルートに依存することはリスクです。たとえばSNSでの案件依頼が止まっても、クラウドソーシングや人脈ルートからカバーできる状態を作っておきましょう。最初から全部を完璧に整える必要はなく、まず1〜2つのルートを試して、実績ができてから他のルートにも展開していくのが現実的です。
コツ2: 単発案件より「継続案件」を意識する
単発の案件を何十件もこなすよりも、月額契約の継続案件を3〜5件確保するほうが、収入は圧倒的に安定します。最初の案件でしっかりと成果を出し、「次も一緒にやりましょう」という関係を作ることを意識しましょう。毎月の成果報告で数字の改善を共有することが、継続契約につながります。
コツ3: 実績の記録・発信を習慣化する
案件を完了したら、その都度ポートフォリオや実績ページを更新しましょう。新しい実績が増えるほど、次の案件を受注しやすくなります。SNSでの発信も継続することで、「このエンジニアはどんなことをしている人か」というブランドが少しずつ形成されていきます。
エージェントなしで案件獲得する際の注意点
自力での案件獲得にはメリットが多い一方、いくつか注意点があります。
単価の自己管理
エージェント経由では、エージェントが単価の下限をある程度管理してくれます。自力での案件獲得では、単価を自分で決める必要があります。市場相場(自分のスキルと経験年数に対応した相場)を事前に調べ、安売りしないことが重要です。
契約書・業務委託契約の基本
2024年11月に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス保護法)」により、発注者側には取引条件の明示や報酬の60日以内支払いなどが義務付けられました。しかし、自分の身を守るためにも、業務内容・報酬・納期・知的財産権などを明記した業務委託契約書を必ず締結するようにしましょう(厚生労働省 フリーランスとして業務を行う方へ)。
詐欺・低品質クライアントへの注意
SNS経由の案件には、報酬未払いや「最初は低単価で」という言葉で実績を搾取しようとする悪質なクライアントも存在します。先払いの要求や、異常に高い報酬を約束するケースには注意が必要です。案件の詳細がはっきりしない状態で作業を開始しないようにしましょう。
確定申告の準備
複業・副業として案件を受ける場合、年間20万円を超える副業所得は確定申告が必要です。案件を受け始めたら、収支の記録を始めておきましょう。
まとめ
フリーランスエンジニアがエージェント以外で案件を取る5つの方法をご紹介しました。
方法 | おすすめの状況 |
|---|---|
SNS(X・LinkedIn)での発信 | 技術発信が好き・継続的な案件を増やしたい |
複業プラットフォームの活用 | 自分のペースで案件を探したい・副業から始めたい |
企業への直接営業 | 単価を上げたい・特定の分野・業界で働きたい |
人脈・紹介ルート | 信頼できる案件を受けたい・営業が苦手 |
クラウドソーシング | 実績がない段階・最初の一歩を踏み出したい |
「エージェント待ち」から脱却するためには、まず1つだけ今日から試してみることが大切です。SNSのプロフィールを整える、過去の同僚に声をかけてみる、複業向けプラットフォームに登録してみるなど、小さな一歩から始めてみましょう。
案件獲得のルートを自分でコントロールできるようになると、収入の安定度が大きく変わってきます。複業クラウドのようなプラットフォームを活用して、自分から動ける案件獲得の仕組みを少しずつ作っていきましょう。



