ReactとTypeScriptを扱うエンジニアであれば、その技術スタックは複業案件市場で高く評価されます。しかし、フリーランス専業向けの単価情報はあふれているのに対して、「本業を続けながら週2〜3日だけ稼働した場合、実際にいくら稼げるのか」を具体的に示した情報は意外と少ないのが現状です。
本業でReactやTypeScriptを使っているにもかかわらず、「自分のスキルが複業案件で通用するのか」「週2日の稼働で月収はどのくらいになるのか」と疑問を持つ方は多くいます。また、TypeScriptを習熟しておけば単価が上がると聞いたものの、実際には何円の差があるのかが分からないという悩みも耳にします。
この記事では、2026年の最新市場データをもとに、React・TypeScript複業案件の単価相場と週稼働日数別の月収試算を具体的な数字で解説します。自分のスキルレベルに合った目標単価を設定し、複業の第一歩を踏み出すための情報をお伝えします。
React・TypeScript複業案件の2026年単価相場

React案件の平均月額単価(2026年データ)
2026年時点のReactフリーランス案件の月額平均単価は77〜86万円前後で推移しています(複数のフリーランスエージェント調査より)。これはJavaScript単体の案件と比較して10〜15万円程度高い水準です。
市場全体の傾向として、React案件の案件数は14,000件超(2026年4月時点)と豊富で、競合技術であるVue.jsの約2倍の規模を持ちます。案件数の多さはエンジニアにとって選択肢の広さを意味し、複業案件の確保がしやすい環境といえます。
また、リモートワーク比率が約70%に達しており(bizdev-tech.jp調査)、地方在住でも首都圏単価の案件を獲得できる点は複業エンジニアにとって大きなメリットです。
TypeScript組み合わせで変わる単価プレミアム
TypeScriptは2026年時点でReact案件の実質必須スキルとなっています。スキル構成ごとの月額単価の目安は以下のとおりです。
スキル構成 | 月額単価目安 | 前構成比 |
|---|---|---|
React のみ | 60〜75万円 | — |
React + TypeScript | 70〜85万円 | +10〜15万円 |
React + TypeScript + Next.js | 80〜95万円 | +10〜15万円 |
フルスタック(Node.js含む) | 90〜130万円 | +15〜40万円 |
TypeScriptを習熟することで、React単体と比較して月額で約10〜15万円の単価プレミアムが期待できます。年換算すると120〜180万円の差になるため、TypeScriptへの投資対効果は高いといえます。
経験年数・スキルセット別の単価ロードマップ
経験年数別単価テーブル
自身の経験年数に応じた目標単価の目安は以下のとおりです。
経験年数 | React単体 | React + TS | React + TS + Next.js |
|---|---|---|---|
1〜2年 | 40〜50万円 | 50〜60万円 | 55〜65万円 |
3〜4年 | 60〜70万円 | 70〜80万円 | 75〜90万円 |
5年以上 | 75〜90万円 | 85〜100万円 | 90〜110万円 |
技術リード | 90〜110万円 | 100〜120万円 | 110〜130万円 |
※上記は月額単価(フルタイム換算)の目安です。複業での週2〜3日稼働の場合は、次のセクションの換算表をご覧ください。
高単価(100万円超)を狙えるスキルセット
月額100万円超の案件を狙うためには、以下のスキルセットが求められる傾向があります。
- TypeScript + React の設計経験: コンポーネント設計・型設計の上流工程経験
- Next.js App Router・React Server Components: 2026年の標準的な開発手法
- テスト・CI/CD: Vitest・Playwright等の品質管理経験
- バックエンド知識: Node.js/Nest.jsでのTypeScript統一開発経験
これらのスキルを組み合わせることで、週2〜3日の稼働でも高単価案件への参加機会が広がります。
複業エンジニアの週稼働別月収シミュレーション

複業で実際に稼げる金額は、週あたりの稼働日数と時給(日給)によって変わります。ここでは現実的な稼働パターンで月収を試算します。
週稼働日数別の月収試算表
月額単価(フルタイム)を月20日稼働として換算すると、1日あたりの報酬が導き出せます。
経験2〜3年(React + TypeScript)の場合: 月額単価70〜80万円を想定
週稼働日数 | 月稼働日数(目安) | 月収試算 |
|---|---|---|
週1日 | 4〜5日 | 14〜20万円 |
週2日 | 8〜9日 | 28〜36万円 |
週3日 | 12〜13日 | 42〜52万円 |
経験4〜5年(React + TypeScript + Next.js)の場合: 月額単価85〜95万円を想定
週稼働日数 | 月稼働日数(目安) | 月収試算 |
|---|---|---|
週1日 | 4〜5日 | 17〜24万円 |
週2日 | 8〜9日 | 34〜43万円 |
週3日 | 12〜13日 | 51〜57万円 |
※上記は概算値です。実際の単価は案件内容・クライアント・稼働形態によって異なります。
複業案件は時間単価が高くなる理由
フリーランス専業の案件は月額固定の場合が多いですが、複業(週1〜3日)の案件では時給制や日当制になるケースがあります。専業フリーランスと比較したとき、複業案件の時間単価は次の理由から高くなる傾向があります。
- 即戦力前提: 複業案件は研修コストをかけられないため、経験者への報酬が高い
- 短期集中: 週2〜3日で成果を出すことへの対価として単価設定が高め
- 需要と供給: 週1〜3日という稼働形態に対応できる優秀なエンジニアの絶対数が少ない
実務経験3年以上のReact + TypeScriptエンジニアであれば、週2〜3日の稼働で月20〜45万円程度の副収入を現実的に目指せる水準にあります。
複業案件の特徴と選び方のポイント
本業エンジニアが避けるべき案件タイプ
複業を始める際に注意が必要な案件タイプがあります。
週5日常駐案件: 本業がある状態では選択が難しい案件です。求人票に「週5常駐可能な方」「フル稼働歓迎」と書かれている場合は要注意です。
秘密保持が厳しい競合他社案件: 本業と同業種・同技術領域での複業は、本業先との競業避止義務に抵触する可能性があります。事前に就業規則を確認することが大切です。
コミュニケーションコストが高い案件: 毎日の定例MTGや即時対応を求める案件は、本業がある状態では負担になります。非同期コミュニケーションで進められる案件を選ぶと継続しやすくなります。
リモート・週2〜3日案件の見分け方
複業に向いている案件を選ぶときの判断軸として以下を参考にしてください。
- 稼働形態の明記: 「週2日〜OK」「フルリモート」と明示されている案件
- 非同期コミュニケーション: SlackやGitHub Issuesを中心とした進め方ができる
- タスクベースの管理: 「●●機能の実装」のように成果物が明確な案件
単価を上げるための3つのアクション

React + TypeScriptエンジニアが複業案件の単価を高めるために、具体的に取り組めることを3点ご紹介します。
TypeScriptを武器にする(型定義の深度と単価の関係)
「TypeScriptを使っている」と「TypeScriptを理解して設計できる」では、単価に大きな差があります。高単価案件が求めているのは後者です。
具体的には、以下のスキルを強化することで単価交渉の材料になります。
- 型安全なAPIクライアント設計: zodやtRPCを使ったスキーマ駆動開発
- ジェネリクスと条件型: 再利用可能な型設計の経験
- Strict Mode対応: 厳格な型設定でのコードレビュー経験
Next.jsとApp Routerを習得する(2026年需要)
2026年時点で、React案件の大半はNext.jsを採用しています。特にApp Router(Next.js 13以降)とReact Server Componentsへの対応が求められる案件が増えており、この領域の経験があることで単価プレミアムが発生しやすくなっています。
3〜5件の実績でポートフォリオを整える
複業案件の最初の壁は「実績がない」という問題です。最初の案件は単価よりも実績獲得を優先し、3〜5件の実績が揃った段階で単価交渉に臨むのが現実的なアプローチです。
GitHubのプロフィールに「React + TypeScript」のコードが一定量あることは、案件獲得の説得力になります。個人開発やOSSへの貢献も実績として機能します。
React・TypeScript複業案件の探し方
複業エンジニア向けプラットフォームの特徴比較
React・TypeScript案件を探すための主要なプラットフォームには、以下のような特徴があります。
サービス | 特徴 | 週2〜3日案件 |
|---|---|---|
レバテックフリーランス | 平均月額77万円。案件数多く選択肢が豊富 | あり |
Remogu | 完全リモート特化。週2日案件も豊富 | 多い |
SOKUDAN | 副業・複業エンジニア向け。企業直接契約多め | 多い |
Findy Freelance | スキル評価でのマッチング。高単価帯が中心 | あり |
ITプロパートナーズ | フリーランス・副業特化。週2日案件あり | あり |
複業・副業に特化したサービスの選び方
プラットフォームを選ぶ際は、以下の点を確認することで、自分の稼働条件に合った案件を効率よく見つけられます。
- 稼働条件でのフィルタリング機能: 「週2〜3日OK」「フルリモート」などで絞り込めるか
- 直接契約 vs エージェント介在: エージェント介在型は交渉サポートがある分、手数料が発生する
- 口コミ・評判: 案件の質や担当者の対応について、エンジニアコミュニティの評判を確認する
複業案件を探す際は、まず2〜3つのプラットフォームに登録して、自分の条件に合う案件量を比較することをおすすめします。Workeeのような複業に特化したマッチングサービスも、エンジニアの稼働条件に合った案件が集まりやすい選択肢のひとつです。



