ホームページリニューアル費用の相場と内訳|見積もりの読み方・稟議を通すポイント

「3社に見積もりを取ったら、80万円・150万円・220万円と3倍近くの差が出た。どれが適正なのか、どう説明すればいいのかわからない」
ホームページのリニューアルを担当することになった方から、このような声をよく聞きます。費用のバラつきは珍しいことではありません。依頼する会社の規模・作業範囲・使用する技術によって、同じサイトリニューアルでも見積もり金額は数倍の差が生まれることがあります。
問題は、その差の理由が分からないまま「なんとなく中間の会社に頼んでしまう」ことです。根拠のない選択では、社内稟議が通りにくくなるだけでなく、発注後にトラブルが起きるリスクも高まります。
本記事では、ホームページリニューアルの費用相場をサイト種別ごとに整理した上で、見積もり内訳の読み方・費用がバラバラになる理由・社内稟議を通すための費用根拠の作り方まで解説します。リニューアルを初めて担当する方が、適切な予算設計と社内承認を得るための実用的な情報をお届けします。

目次
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この資料でわかること
こんな方におすすめです
ホームページリニューアルの費用相場|サイト種別ごとの目安

まず、ホームページリニューアルの費用相場を確認しましょう。Web幹事の調査によると、ホームページリニューアルの平均費用は138.2万円(中央値88.6万円)です。ただし、サイトの種類や規模によって費用は大きく異なります。
コーポレートサイトのリニューアル費用(100〜300万円)
コーポレートサイトのリニューアル費用は、一般的に100万〜300万円が相場です。中小企業の15〜30ページ程度のサイトであれば100万〜180万円、大企業や機能が多いサイトでは300万円以上になるケースも珍しくありません。
サイト規模 |
ページ数目安 |
費用目安 |
|---|---|---|
小規模 |
10ページ以下 |
30万〜100万円 |
中規模 |
15〜30ページ |
100万〜200万円 |
大規模 |
50ページ以上 |
200万〜500万円 |
ECサイトのリニューアル費用(300万〜1,000万円以上)
ECサイトは決済機能・在庫管理・会員システムなど複雑な機能が必要なため、リニューアル費用は300万〜1,000万円以上になります。EC機能のカスタマイズが多いほど費用は高くなります。
採用サイトのリニューアル費用(80万〜350万円)
採用サイトは動画・インタビューコンテンツ・エントリーフォームなどが必要で、80万〜350万円が相場です。大手人材サービスのATSとの連携が必要な場合はさらに費用が増えます。
サービスサイト・LPのリニューアル費用(30万〜150万円)
単一サービスのサイトや数ページ規模のLPなら30万〜150万円が目安です。デザインテンプレートを活用することでコストを抑えることもできます。
リニューアル費用の内訳|見積書の読み方

見積書を受け取っても「何にこの費用がかかっているのか」わからないと、金額の妥当性を判断できません。主な費目とその目安を解説します。
ディレクション費(プロジェクト管理・進行費)
プロジェクト全体の進行管理、クライアントとの打ち合わせ、スケジュール調整などにかかる費用です。通常は制作費全体の10〜30%を占めます。コンサルティング要素が強い場合はこの割合が高くなります。
サイト設計・戦略費(情報設計・UI設計)
ユーザーが使いやすいサイト構造(IA設計)やページ遷移の設計にかかる費用です。SEOを意識したコンテンツ設計が含まれる場合、この費用が重要になります。
デザイン費(ビジュアル制作)
ページのビジュアルデザイン費です。トップページは10万〜30万円、下層ページは1ページあたり数万円が相場です。オリジナルデザイン(スクラッチ制作)かテンプレートベースかで大きく変わります。
コーディング費(実装・開発費)
デザインをHTMLやCSSに変換する作業です。静的なページなら1ページ1万〜3万円が目安ですが、アニメーションや複雑なインタラクションが必要な場合は高くなります。
CMS・システム導入費(WordPressなどの構築費)
コンテンツ管理システムの構築費です。WordPressの場合、テーマカスタマイズなら20万〜50万円、フルカスタムビルドなら100万円以上になるケースもあります。
コンテンツ制作費(ライティング・写真撮影等)
テキストコンテンツの制作費(1ページあたり5,000円〜2万円)や写真撮影費(1回3万〜10万円)です。既存コンテンツの流用可否によって大きく変わります。
保守・運用費(月額ランニングコスト)
公開後の月額費用も事前に確認しておきましょう。サーバー・ドメイン代(月額300〜5,000円)、保守管理費(月額1万〜3万円)、コンテンツ更新費(月額1万〜5万円)が一般的な内訳です。
見積もり金額がバラバラになる理由と適正価格の判断方法
「なぜA社80万円、B社220万円という差が生まれるのか」は多くの担当者が抱える疑問です。金額の差には必ず理由があります。
提案範囲・作業スコープの違い
最も大きな差の要因は「何が含まれているか」の違いです。A社の80万円はデザインとコーディングのみで、コンサルティング・SEO設計・コンテンツ制作は別途費用になっているかもしれません。B社の220万円にはこれらが全て含まれている可能性があります。
制作体制(内製・外注下請け比率)の違い
制作会社がどれだけ自社内で作業するかによって価格は変わります。デザインから開発まで自社内製で行う会社は品質が安定しやすく費用も明確ですが、多くの工程を外注する会社は中間マージンが加算されます。
使用技術・CMSの選定方針の違い
WordPressを使ったリニューアルと、Next.js等を使ったヘッドレスCMS構成では初期費用・ランニングコスト・保守工数が大きく異なります。技術選定の方針が違えば見積もり額も変わります。
相見積もりで揃えるべき5つの確認ポイント
見積もりを比較する際は、以下を各社に統一して確認することで「同じ土俵での比較」ができます。
- 作業範囲の明確化: デザイン・コーディング・CMS構築・コンテンツ制作のどこまでが含まれるか
- ページ数の定義: 見積もりに含まれるページ数と、追加1ページあたりの単価
- 修正回数の上限: デザイン・コーディング段階での修正対応回数
- 保守・更新の範囲: 公開後の更新対応の範囲と月額費用
- 著作権の帰属: 制作物の著作権が自社に帰属するか、制作会社に残るか
費用を抑えるポイントと「削れない費用」

予算を抑えたい場合でも、削ると後悔する費用と削れる費用があります。
コストを削れるポイント
テンプレートの活用: オリジナルデザインではなく既製のWordPressテーマをカスタマイズすることで、デザイン費を数十万円削減できます。ただし、他社サイトと似たビジュアルになりやすい点に注意が必要です。
既存コンテンツの流用: 現在のサイトのコンテンツ(テキスト・画像)を流用できる場合は、コンテンツ制作費を大幅に削減できます。
段階的リリース: 全ページ一括リニューアルではなく、重要ページ(トップ・サービス・採用)から優先的にリニューアルし、残りを後から対応する方法で初期費用を抑えられます。
IT補助金・助成金の活用: 小規模事業者持続化補助金ではホームページのリニューアル費用が対象になる場合があります。詳細は小規模事業者持続化補助金の公式サイトでご確認ください。
「安すぎる見積もり」に潜む4つのリスク
一方、費用を削ることで品質や後のコストに影響する部分があります。
- SEO設計の省略: URLの変更時の301リダイレクト設定や適切なサイトマップ構築を省略すると、リニューアル後に検索順位が大幅に下落するリスクがあります
- スマートフォン対応の簡素化: レスポンシブデザインの品質を落とすと、Googleの評価が下がりSEOに悪影響が出ます
- セキュリティ対策の不足: 初期費用を抑えた結果、セキュリティの甘い構成になると、後からの修正対応で費用がかさみます
- 後から追加費用が発生: 「何でもやります」という安い見積もりには、契約後に「その作業は別途費用です」と追加費用が発生するケースがあります。契約前に作業範囲を書面で確認することが重要です
HP制作後を見据えたトータルコスト設計
ホームページはリリース時点がゴールではありません。公開後も継続的な費用が発生します。
公開後の月額ランニングコスト
費目 |
月額目安 |
|---|---|
サーバー・ドメイン維持費 |
500円〜5,000円 |
保守管理費(セキュリティ・バックアップ) |
1万〜3万円 |
コンテンツ更新代行費 |
1万〜5万円(更新量による) |
SEO・集客支援 |
5万〜20万円(任意) |
システム機能追加・連携時の追加費用の目安
将来的に「問い合わせフォームにCRMを連携したい」「予約機能を追加したい」といったニーズが出てくることがあります。システム開発会社に依頼する場合の追加費用の目安は以下の通りです。
追加機能 |
費用目安 |
|---|---|
問い合わせフォームのCRM連携 |
20万〜80万円 |
予約・申し込みシステム追加 |
50万〜200万円 |
会員機能・マイページ |
100万〜300万円 |
ECカート機能追加 |
100万〜500万円 |
これらのシステム連携を見据えて制作会社を選ぶ場合、HP制作と開発を一括で対応できる会社に依頼すると、後から別会社に依頼するよりもコミュニケーションコストや費用を抑えやすくなります。
CMS選定がランニングコストに与える影響
制作時のCMS選定は、長期的なランニングコストに影響します。
CMS種別 |
特徴 |
ランニングコスト |
|---|---|---|
WordPress(オープンソース) |
最もシェアが高い。管理が比較的容易 |
低い(ライセンス費なし) |
商用CMS(MovableType等) |
セキュリティ管理が容易 |
ライセンス費が月額5,000円〜3万円 |
ヘッドレスCMS構成 |
拡張性が高い・表示速度が速い |
技術者が必要で保守費が高め |
自社でコンテンツ更新を行う場合は更新しやすいCMSを選ぶことで、外注更新費を削減できます。
社内稟議を通すための費用説明の作り方

費用相場がわかっても、役員・上司を説得できる説明ができなければ予算を確保できません。稟議を通すための具体的なアプローチを解説します。
稟議書に盛り込む6つの要素
- リニューアルの目的・課題: 現在のサイトの問題点(古いデザイン・スマホ未対応・問い合わせが少ない等)を具体的に示す
- 期待効果: リニューアルで何が変わるか(問い合わせ件数の増加目標等)を定量的に示す
- 費用の根拠: 複数社の相見積もり結果と、なぜこの会社・金額を選んだかの理由
- 費用の妥当性: 業界相場データを示し、提示金額が相場範囲内であることを証明する
- ランニングコスト: 公開後の月額費用も含めた年間総費用
- リスク: 何もしない場合のリスク(競合に劣後・SEO評価低下等)
費用対効果(ROI)の根拠の作り方
役員が最も知りたいのは「このお金を使う価値があるか」です。以下のような計算式で費用対効果を示すことで、稟議の説得力が増します。
例: コーポレートサイトリニューアルの費用対効果
現状の月間問い合わせ数が5件で、案件化率30%・平均単価100万円の場合:
- 現状の月間売上貢献: 5件 × 30% × 100万円 = 150万円
- リニューアル後に問い合わせが月8件に増加した場合: 8件 × 30% × 100万円 = 240万円
- 月間増加額: 90万円 → リニューアル費用150万円の回収期間は約2ヶ月
このように「問い合わせが何件増えれば何ヶ月で回収できるか」を示すと、数字で考える役員・経営者に響きます。
複数の見積もりから1社を選ぶ判断基準
最終的な会社選定の判断基準を事前に整理しておくと、稟議での説明がスムーズになります。
- 実績の確認: 自社と同業種・同規模の実績があるか
- 提案の質: 単なる見積もりではなく、自社の課題への理解・提案があるか
- 保守・運用体制: 公開後のサポート体制が明確か
- コミュニケーション: 打ち合わせで担当者との相性が良いか
- 著作権の確認: 制作物の著作権が自社に帰属するか
まとめ|適正なリニューアル費用で成果を出すために
ホームページリニューアルの費用相場と、稟議を通すためのポイントをまとめます。
- 費用相場: コーポレートサイトは100〜300万円、ECサイトは300万〜1,000万円以上が目安
- 見積もりの差の理由: 提案範囲・制作体制・使用技術の違いで数倍の差が生まれる
- 比較のポイント: 作業範囲・ページ数・修正回数・保守範囲を統一して比較する
- 費用削減のコツ: テンプレート活用・既存コンテンツ流用・段階リリースで初期費用を抑える
- 削れない費用: SEO設計・スマホ対応・セキュリティ対策は省略しない
- トータルコスト: 月額ランニングコスト・将来の機能追加費用も見込んで予算設計する
- 稟議のポイント: 費用対効果(ROI)の計算式と業界相場データを活用して承認確率を高める
HP制作・リニューアルの経験が少ない担当者にとって、「適正な費用かどうかを見極める」のは難しい課題です。本記事でご紹介した費用相場・見積もりの読み方・稟議書の作り方を参考に、自信を持って発注・社内承認のプロセスを進めていただければ幸いです。
HPのリニューアルにあわせて、社内システムとの連携や機能追加も検討している場合は、おすすめのホームページ制作会社もあわせてご確認ください。
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