「Shopify のテーマ制作は毎日やっているが、フリーランスとして通用するのだろうか」——そんな不安を抱えているエンジニアの方は少なくありません。SNS を開けば「Shopify フリーランスで月 70 万」という景気の良い発信が流れてきますが、自分の経験レベルでそのレンジが本当に狙えるのか、判断材料が見つからないまま情報収集だけが続いてしまうケースもよく耳にします。
Shopify フリーランスの単価相場は月 40〜80 万円と幅が広く、その中でどのレンジに位置できるかは、Liquid だけで完結する案件か、API 連携やアプリ開発まで踏み込む案件か、Shopify Plus クラスの大規模案件かによって大きく変わります。単価の平均値だけを見ても「自分がどこか」は分からず、行動に落とせないままになりがちです。
本記事では、単価相場の全体像を示すだけでなく、自分のスキルセットがどのレンジに当てはまるかを客観的に判定できる 3 レイヤー診断を軸に、獲得チャネル・スキル補強のロードマップ・契約時の注意点・継続受注の戦略までを整理します。読み終えたときには、「今狙えるレンジ」と「上のレンジに届くために埋めるべき技術」が明確になり、次の 1 週間で取れる具体的な一手が決まる状態を目指します。
Shopify 案件は EC 特有の落とし穴(運用フェーズの負担・アプリ費用の切り分け・決済障害対応など)もあり、単発で稼いで終わりにしない設計が単価と収入の安定に直結します。この点も後半で丁寧に扱っていきます。
Shopifyフリーランスエンジニアの単価相場|月額の全体像
まず、Shopify フリーランスエンジニアの月額単価がどのレンジで動いているかを、公開されている調査データで確認します。全体感を掴んだ上で、次章で「その中で自分はどこか」を判定していきましょう。
月額単価の中央値・平均値・レンジ
インディバースフリーランスメディアがまとめた 2026 年 7 月時点の Shopify 業務委託案件データによれば、単価中央値は 75.0 万円、単価平均値は 78.3 万円、最大値は月額 120 万円程度となっています(Shopifyの業務委託は稼げる?単価相場や契約までの流れを解説)。
もう少しレンジを広く取ると、Shopify フリーランスの実勢は概ね次のように分布します。
- 月 30〜40 万円: クラウドソーシング中心の初心者〜駆け出し層
- 月 50〜70 万円: エージェント経由で受注する中堅層
- 月 70〜90 万円: 直営業・専門エージェント経由の上位層
- 月 90 万〜: Shopify Plus・アプリ開発・PM 兼任層
中央値と平均値の差が 3 万円程度に収まっていることから、「一部の高単価案件が平均を押し上げているだけ」ではなく、月 70〜80 万円のレンジが実勢の中心であることが読み取れます。発注者側から見た費用相場と突き合わせて交渉材料にしたい場合は、Shopify 外注費用の相場ガイドも参考にしてください。
案件形態別(フルタイム業務委託/副業/スポット構築)の単価差
案件の形態によっても単価の見方は変わります。それぞれの相場感を整理します。
- フルタイム業務委託(週 5 稼働): 月 60〜90 万円が中心レンジ。エージェント経由の継続案件が主流
- 副業(週 1〜3 稼働): 副業条件で掛け合わせた Shopify 案件(14 件対象)を集計した調査では、月額報酬の中央値が 76 万円と報告されています(Shopify構築の副業事情!週1-3案件の探し方)。ただしこれは掲載された報酬額の中央値であり、フルタイム相当の稼働を前提とするケースも含まれます。実際に週 1〜3 で稼働する場合は、稼働比率に応じた按分(例: 月 76 万円 × 3/5 稼働 ≒ 月 45 万円前後)として捉えるのが現実的です
- スポット構築(1 案件買い切り): フリーランス依頼時の相場は 1 案件 20〜50 万円。シンプルなテーマ活用なら 20〜30 万円、追加機能・オリジナルデザイン込みで 30〜50 万円というレンジです(【リアルレポート】Shopify構築をフリーランスに依頼する際の相場と費用内訳)
同じ「Shopify フリーランス」でも、稼働形態が違えば単価の考え方はまったく変わります。自分がどの形態で働きたいかを先に決めることが、レンジ設計の起点です。
「相場」で終わらせない — 自分のレンジは次章で判定する
数字を並べたところで、「では自分はどのレンジか」は決まりません。単価は経験年数ではなく、対応できる技術領域の広さと深さで決まります。次章では、Shopify エンジニアのスキルを 3 つのレイヤーに分け、それぞれのレイヤーでどの案件・単価が現実的かを判定していきます。
自分の単価レンジを判定する|Shopifyスキル3レイヤー診断

ここが本記事の核となる部分です。Shopify エンジニアのスキルを 3 つのレイヤーに分解し、どのレイヤーにいるかで狙える単価と案件の性質が変わることを示します。
レイヤー1: テーマ制作層(月 40〜50 万円)
求められる技術: Liquid・HTML/CSS/JavaScript を使い、既存テーマ(Dawn などの公式テーマや有料テーマ)のカスタマイズを完結できるレベル。
具体的には次のようなことができれば、このレイヤーに該当します。
- Liquid のセクション・ブロック・スニペットの追加・修正
- テーマ設定(settings_schema.json)のカスタマイズ
- 商品ページ・コレクションページ・カートページの UI 調整
- メタフィールドを使った商品情報の拡張表示
- レスポンシブ調整・アクセシビリティ対応
想定される案件: 既存テーマをベースにしたストア構築、LP 追加、キャンペーンページ制作、デザインカンプの反映。
単価レンジの目安: フルタイム換算で月 40〜50 万円、スポット構築で 20〜30 万円、副業で月 15〜30 万円というレンジが現実的です。実績が少ない段階ではクラウドソーシング中心の受注になりやすく、単価も抑えめになります。
レイヤー2: セミカスタム層(月 55〜70 万円)
求められる技術: レイヤー 1 の内容に加えて、Shopify API・アプリ連携・非同期処理まで踏み込めるレベル。
具体的には次のようなことができるかが分かれ目です。
- Storefront API(GraphQL)を使ったヘッドレス的な機能実装
- Admin API を使った商品・在庫・注文データの取得・更新
- Webhook を使ったイベント駆動の処理(外部システム通知など)
- Shopify Functions(Cart Transform / Discount 等)の基本実装
- 既存アプリ(レビュー・在庫連携・OMS 連携等)の設定・カスタマイズ
想定される案件: 機能追加(会員機能・ポイント機能・独自レコメンド)、在庫や受注の他システム連携、既存 EC からの Shopify 移行、複数店舗のセット構築。
単価レンジの目安: エージェント経由の継続案件で月 55〜70 万円が中心レンジになります。ここが「Shopify フリーランスの中央値」に近い層です。
レイヤー3: アプリ・Plus 層(月 70〜100 万円)
求められる技術: Ruby / Node.js での Shopify アプリ開発、Shopify Plus 案件の対応、複数店舗・国際 EC の設計まで踏み込めるレベル。
具体的には次のような領域が該当します。
- 独自 Shopify アプリの開発(Ruby on Rails / Node.js + Polaris UI)
- GraphQL Admin API を使った高度なデータ操作・バッチ処理
- Shopify Plus 特有機能(Scripts、Flow、Launchpad、Shopify Functions の高度な活用)の設計・実装
- マルチストア・多言語・多通貨の設計
- OMS・基幹システム・CDP との API 連携アーキテクチャ設計
想定される案件: 自社/クライアント向けアプリ開発、Shopify Plus 移行プロジェクト、大規模 EC の改修・パフォーマンスチューニング、越境 EC の設計。
単価レンジの目安: 月 70〜100 万円、Plus 案件やアプリ開発の PM 兼任なら月 100 万円超えも十分現実的です。Shopify アプリ開発は Ruby / Node.js のバックエンド技術が主戦場であるため、バックエンドエンジニア全般の単価相場と比較したい場合はバックエンドエンジニアのフリーランス単価も併せて確認しておくと、レイヤー 3 の相場感が立体的に掴めます。
診断チェックリスト|5 問で自己判定
次の 5 問に「はい/いいえ」で答えてみてください。
- Liquid で新しいセクションを設計から実装まで独力で作れる
- Storefront API または Admin API を使ったデータ取得・更新の実装経験がある
- Webhook を受け取って外部システムに連携する処理を書いたことがある
- Ruby on Rails または Node.js で Shopify アプリを 1 本以上作った経験がある
- Shopify Plus 環境(Scripts / Flow / Launchpad 等)を触った経験がある
- 1 のみ「はい」: レイヤー 1(月 40〜50 万円レンジ)
- 1〜3 が「はい」: レイヤー 2(月 55〜70 万円レンジ)
- 1〜5 すべて「はい」: レイヤー 3(月 70〜100 万円レンジ)
「レイヤー 1 だから独立は早い」という話ではなく、自分の位置を認識した上で、狙える案件と補強すべきスキルを分けて考えるための出発点として使ってください。
EC案件はどこで取れるか|獲得チャネル×単価レンジのマッピング
案件獲得チャネルは数多くありますが、どのチャネルにも同じ単価の案件が並んでいるわけではありません。チャネルによって扱う案件のレンジ(レイヤー)が違うという視点で整理します。Shopify に限らないフリーランスエンジニアの案件獲得チャネル全般についてはフリーランスエンジニアの案件の探し方にもまとめていますので、本節と併せて参照してください。
クラウドソーシング(ランサーズ・クラウドワークス)
- 主なレンジ: 月換算 20〜40 万円(スポット案件が中心)
- 親和性の高いレイヤー: レイヤー 1
- 特徴: 初案件・実績作りに適する。ただし単価競争になりやすく、継続受注に繋げるには工夫が必要
- 活用のコツ: ポートフォリオを 3〜5 サイト作った上で登録すると、指名受注が増えやすい
初期段階で使うのは合理的ですが、レイヤー 2 以上を目指すエンジニアが長く滞在する場所ではありません。
フリーランスエージェント(レバテック・PE-BANK・フリコン等)
- 主なレンジ: 月 55〜80 万円
- 親和性の高いレイヤー: レイヤー 2 以上
- 特徴: 週 3〜5 稼働の継続案件が中心。実務経験 2〜3 年が最低ラインになることが多い
- 活用のコツ: Shopify に強いエージェント(レバテックフリーランス、Findy Freelance 等)を優先し、複数エージェントに登録して案件を比較検討する
面談時には「API 連携経験」「アプリ開発経験」を具体的に伝えると、上位レンジの案件が回りやすくなります。エージェント面談での単価交渉の進め方はフリーランスエンジニアのエージェント交渉術で具体的に解説しています。
Web 制作会社・EC 支援会社の下請け/SES ルート
- 主なレンジ: 月 50〜80 万円
- 親和性の高いレイヤー: レイヤー 2 相当
- 特徴: 継続的な案件供給が魅力。制作会社側で要件定義・PM を握ってくれるため、実装に集中できる
- 活用のコツ: 過去に勤務していた制作会社、または SNS・勉強会で知り合った制作会社と関係を作る。1 社に依存しすぎない
安定を優先するなら、この経路が最も現実的です。
SNS 営業(X・Instagram)と直営業
- 主なレンジ: 月 60 万円〜(案件次第で 100 万円超も)
- 親和性の高いレイヤー: レイヤー 1〜2 でも高単価を狙える可能性がある
- 特徴: 中間マージンがないため単価は高くなりやすい。ただし、案件の当たり外れが大きく、営業コストが自分持ちになる
- 活用のコツ: X で「Shopify 構築事例」「実装 Tips」を継続発信する、Instagram で美容・ファッション系のブランドオーナーに直接提案する等、ターゲットを絞った動線を作る
継続案件化には「保守運用契約」への転換設計が必須です(後半のセクションで詳述します)。
EC 支援会社との専属パートナー契約
- 主なレンジ: 月 80〜100 万円+成果報酬型もあり
- 親和性の高いレイヤー: レイヤー 3
- 特徴: Shopify Plus 案件・アプリ開発案件が中心。EC 支援会社のブランドを背負う分、責任範囲は広い
- 活用のコツ: レイヤー 3 のスキルを持った上で、実績を EC 系メディアや登壇で可視化しておくと、支援会社側からのオファーが来やすい
自分がどのレンジを狙うかを決めたら、上記のマッピングを参考にチャネルを絞り込むと、営業時間の投資対効果が上がります。
単価を上げる|スキル補強ロードマップ

診断で「今はレイヤー 1」と分かった人、あるいは「レイヤー 2 まで来ているけれどレイヤー 3 に届かない」と感じている人向けに、上のレイヤーに上がるための具体的なスキル補強項目を段階的に示します。
レイヤー1 → レイヤー2: API・Webhook・アプリ連携の実務経験を積む
Liquid だけでは越えられない壁が、外部システム連携です。次の順で埋めていくと段階的に上のレンジに手が届きます。
- Storefront API(GraphQL)の実装経験: ヘッドレスコマース案件で頻出。Next.js や Nuxt と組み合わせた事例を 1 本作ると強い
- Admin API を使った商品/注文データの取得・更新: 在庫連携・受注連携で必ず求められる
- Webhook を使ったイベント駆動処理: 注文完了時に Slack 通知する/外部 CRM に連携する等、小さな題材で試す
- 既存アプリ連携: レビュー系(Judge.me / Loox)、在庫連携系(TEMPOSTAR / ネクストエンジン)等、有名アプリの設定・カスタマイズを 3〜5 本経験する
学習リソースは Shopify.dev の公式ドキュメントが第一。手を動かす題材は、副業案件やクラウドソーシングの小規模案件で意図的に選び取ると良いでしょう。
レイヤー2 → レイヤー3: アプリ開発・Plus 案件対応・GraphQL の深い理解
ここまで来ると、扱う技術スタックが Liquid・API から本格的なアプリ開発に広がります。
- Ruby on Rails または Node.js での Shopify アプリ開発: Shopify CLI を使って公式チュートリアルを完走する
- Polaris UI と App Bridge: 埋め込みアプリの UI 構築で必須
- GraphQL Admin API の深い理解: Bulk Operations、レート制限、Cursor ベースのページネーション設計
- Shopify Plus 特有機能: Scripts(Ruby DSL)、Flow、Launchpad、Shopify Functions(Rust / JS)の設計経験
- 多言語・多通貨・多店舗: Markets 機能の理解と、実案件での設計経験
Shopify Partners に登録して開発ストアを 1〜3 個作り、実験環境で試す流れが最も効率的です。
単価に効くプラスアルファ
技術以外に、単価交渉で効いてくる要素があります。
- Shopify Partners 登録と実績のポートフォリオ化: 開発ストア・公開アプリの数はそのまま実力の可視化になる
- 国際化・多言語対応の経験: 越境 EC 案件は単価が高い
- PM スキル: 要件定義・見積・進行管理を巻き取れると、エージェント経由でも上位レンジに乗りやすい
- OMS・基幹連携経験: EC 事業者からの直営業案件で強く効く
技術の深さと、事業側の言語で会話できる幅の両方が、月 70 万円の壁を越える鍵になります。
EC案件でぶつかりやすい落とし穴と、契約時に確認すべき条件

Shopify 案件は「作って終わり」にならないのが特徴です。テーマ制作案件でも、公開後の運用フェーズで想定外の対応が発生し、実質単価が下がってしまうケースが少なくありません。フリーランスとして契約する前に確認すべき項目を整理します。
テーマ納品後の運用・軽微修正はどこまで含む?
Shopify のテーマは、公開後に「ここの色を変えたい」「バナーを差し替えたい」といった軽微な修正依頼が頻繁に発生します。契約書に「納品後 1 ヶ月間は無償修正対応」等の記載があると、思っていた以上に工数を持っていかれる可能性があります。
契約時に確認すべきポイントは次のとおりです。
- 無償対応の範囲(バグ修正のみ/文言・画像差し替えは含むか)
- 対応期間(1 週間/1 ヶ月/3 ヶ月等)
- 対応時間の上限(合計 5 時間まで無償、それ以上は時間単価等)
明文化しておかないと、「そのくらいすぐできるでしょう」の積み重ねで実質単価が半減することがあります。
Shopify 有料アプリ・追加テーマ購入費用は誰が負担する?
Shopify 案件では、有料アプリ(月額 20〜100 ドル程度が中心)や有料テーマ(買い切り 100〜400 ドル程度)を導入するかどうかがよく議題になります。
- アプリ・テーマの購入費用の負担元(発注者/フリーランス)
- アプリの月額費用が発生する場合の請求主体
- 導入判断の最終決定者(発注者判断か、フリーランス側の推奨に従うか)
これらを曖昧にすると、フリーランスが立て替えて回収漏れが発生したり、発注者が想定外の月額費用に不満を持ったりする原因になります。
決済障害・在庫同期エラーが起きた場合の対応義務範囲
EC 案件で最も緊張感が高いのが、決済障害・在庫同期エラーです。「作ったのはあなたなので直してほしい」と、想定外の時間帯に対応を求められるケースがあります。
- 障害対応の一次窓口(フリーランス/発注者/Shopify サポート)
- 対応時間帯(平日日中のみ/24 時間対応)
- 障害対応の費用(月額保守に含む/都度時間単価)
- 免責事項(Shopify 側の障害・アプリ提供元の障害は対象外とする等)
24 時間対応を引き受けるかは、月額の保守費用と直結する重要な条件です。安易に「対応します」と口約束しないことが、持続可能に働くための最低条件になります。
契約書・業務委託基本契約書で見るべき 5 項目
最後に、契約書レビュー時に必ず確認したい 5 項目を挙げます。
- 成果物範囲: 何を納品すれば完了か(テーマファイル・設定・ドキュメントの範囲)
- 検収基準: 何をもって検収完了とするか(画面レビュー・動作確認項目のチェックリスト等)
- 瑕疵担保期間: 納品後、どの期間内のバグ対応を無償で行うか
- 秘密保持: 事例公開の可否、公開時の許諾フロー
- 準拠法・管轄: トラブル時の裁判管轄がどこか
契約書のひな型は発注者側が用意することが多いですが、フリーランス側でも 1 本標準版を持っておき、これらの項目が抜けていないか照合する運用にすると、契約時のリスクが下げられます。
フリーランスとして継続的にShopify案件を取り続けるための3つの戦略

単発案件で終わらせず、継続的に月商 60〜80 万円を維持していくための戦略を 3 つ紹介します。ここは Workee フリーランス向けの本題である「収入安定化」の核になる部分です。
保守運用契約への転換(月額固定+改修時間実費)
Shopify は導入後の運用フェーズが長く続きます。テーマ制作・機能追加の案件を納品して終わるのではなく、そのまま保守運用契約に転換する設計にすると、収入の安定度が一気に上がります。
保守運用契約の典型的な設計例は次のとおりです。
- 月額固定 5〜15 万円 + 月あたり 3〜5 時間の軽微対応込み
- それ以上の改修は時間単価(5,000〜10,000 円/時)で追加請求
- 障害対応は平日日中に限定、緊急対応が必要な場合は別途オプション
「毎月請求書を発行するだけで固定収入が入る」状態を 3〜5 社積み上げれば、月商のうち 30〜60 万円が保守で埋まり、残りをスポット案件で乗せる形の設計ができます。
複数店舗運用の兼任(1 案件 20 時間 × 3 案件で月商設計)
フルタイム 1 案件に張り付くと、稼働の柔軟性が失われ、単価交渉力も落ちます。1 案件 20〜40 時間/月の中規模案件を 2〜3 社兼任する構成にすると、以下のメリットが得られます。
- 1 社の稼働が減っても、他の 2 社でカバーできる
- 各社ごとの単価交渉ができる(1 社に依存しないため強気に出せる)
- 保守案件を組み合わせやすい
たとえば「保守契約 3 社(月 30 万円)+ 中規模案件 2 社(月 40 万円)」といった組み方で、月 70 万円の安定稼働が可能になります。
得意領域の特化(食品 EC/越境 EC/サブスク EC など縦の専門化)
Shopify 案件は「Shopify ができる人」から「〇〇業界の Shopify に強い人」へ、指名で選ばれるフェーズに入ると単価が跳ね上がります。
具体的な特化領域の例は次のとおりです。
- 食品 EC: 定期購入・冷蔵冷凍配送・賞味期限管理・食品表示法対応
- 越境 EC: Markets 機能・多言語対応・多通貨・海外決済・関税表示
- サブスク EC: Shopify Subscriptions・Recharge・定期便運用の設計
- BtoB EC: Shopify Plus の B2B 機能・掛売り・見積書対応
- アパレル・美容: OMS 連携・在庫連動・ブランドサイトとの世界観統一
得意領域を 1 つ絞ると、その業界のメディアや勉強会での存在感を作りやすくなり、指名受注の比率が上がっていきます。単価交渉時にも「この領域なら任せられる」という判断が働くため、上のレンジの案件に自然と手が届くようになります。
まとめ|Shopifyフリーランスとしての次の一手
Shopify フリーランスとして安定して稼ぐには、単価相場を知るだけでは足りません。自分の位置を診断し、狙えるレンジのチャネルに動き、上のレンジに向けたスキル補強を並行して進める——この 3 つを同時に回すことが本質です。
記事の内容を「今日から動ける形」で整理すると、次の 3 ステップに集約されます。
- 3 レイヤー診断で自分の位置を確定する: 「レイヤー 1/レイヤー 2/レイヤー 3」のうち、現状どこにいるかを書き出す。診断チェックリスト 5 問を実際に紙に書いて判定する
- 該当レンジに合った獲得チャネルに 1 週間以内に登録する: レイヤー 1 なら制作会社との関係作りとポートフォリオ拡充、レイヤー 2 ならエージェント複数社への登録、レイヤー 3 なら EC 支援会社との専属パートナー交渉。まずは 1 チャネルに動く
- 1 つ上のレイヤーに必要な技術を 1 つ選び、学習を今週から始める: レイヤー 1 なら Storefront API、レイヤー 2 なら Ruby on Rails での Shopify アプリ開発、レイヤー 3 なら得意領域の特化。「何を学ぶか」を 1 つに絞ることが重要です
Shopify エコシステムは、EC 市場の拡大と歩調を合わせて拡大し続けています。テーマ制作からアプリ開発、そして事業側の課題解決まで、価値を出せる領域が広がっているため、自分のレンジを見極めながら継続的にレベルを引き上げていけば、月 60〜80 万円のレンジは十分現実的です。今日決めた次の一手を、まず 1 週間動かしてみてください。判断材料が揃った状態で行動できることが、この記事の狙いです。
よくある質問
- テーマ制作しか経験がないレイヤー1の状態でも、フリーランスとして独立できますか?
独立自体は可能ですが、現実的なレンジは月40〜50万円で、クラウドソーシング中心の受注になりやすいです。いきなり専業化するより、副業や制作会社の下請けで実績を積みながらAPI連携スキルを並行して補強するのが安全です。
- 副業からフリーランス専業に切り替えるタイミングはどう見極めればいいですか?
保守運用契約(月額固定5〜15万円程度+月3〜5時間の軽微対応込み)を3〜5社確保し、月商のうち30〜60万円程度を固定収入で埋められる状態になった時点が、専業化を検討する目安です。単発案件のみで専業化すると収入が不安定になりやすいため、保守契約による下支えを先に作ってから踏み出すと安全です。
- 実務経験2〜3年に満たなくても、フリーランスエージェントに登録して案件を紹介してもらえますか?
経験年数だけで判断されるとは限りません。Storefront APIやWebhookなど個人開発での実装実績があれば、開発ストアでの成果物をポートフォリオとして面談時に提示することで経験不足を補いやすくなります。
- Shopify Plusの実務経験がなくても、レイヤー3の高単価案件を狙えますか?
実務未経験からいきなりは難しいですが、レイヤー2の案件でAPI・アプリ開発の実績を積みつつ、Shopify Partnersの開発ストアでPlus機能を独学で試しておくと、提案時にアピール材料として使えます。
- 既存クライアントとの契約を保守運用契約に切り替えたい場合、どう提案すればいいですか?
納品後に発生しがちな軽微修正・障害対応は、月額固定5〜15万円+月3〜5時間の軽微対応込みとし、超過分は時間単価5,000〜10,000円で追加請求する保守プランとして契約書に明記し、次回契約更新のタイミングで提案するのが有効です。無償対応が慣習化してから切り出すと発注者との交渉が難しくなるため、早めに提示することが重要です。



