システム開発
2025.10.09

システム開発の流れとは | メリット・デメリットから発注前に押さえるべきポイントまで解説


システム開発の流れとは | メリット・デメリットから発注前に押さえるべきポイントまで解説

システム開発がどのような流れで進むのか、分かりやすく解説します。「何を作るか決める」ところから「完成後の管理」まで、9つのステップに分けて説明し、きちんとした手順で開発することで得られる4つのメリットも具体例を交えて紹介します。さらに、開発会社とやり取りする際によく出てくる専門用語の意味や、プロジェクトを始める前に準備しておくべきことまで、システム開発を成功させるために知っておきたい実用的な知識をお伝えします。

石川瑞起
執筆者
秋霜堂株式会社 代表 石川瑞起
中学生でプログラミングを独学で習得し、HP制作やアプリ開発の事業を開始。 大学入学後に事業を売却し、トヨクモ株式会社へ入社。 3年間にわたり1製品の開発責任者を務めたのち秋霜堂株式会社を設立し、多数の企業をサポートしている。
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システム開発の流れとは

システム開発は、最初に「どんなシステムが必要か」を決めることから始まり、設計、プログラム作成、動作確認、実際の利用開始、その後の管理まで、順番に進めていく作業です。お客様が何に困っているかをしっかり聞き取った後、どう作るかを詳しく計画し、実際にシステムを作っていきます。きちんと動くか何度も確認してから実際に使い始め、その後も問題がないか見守り続けます。

システム開発の作業は、大きく「計画・設計の段階」と「実際に作る段階」に分かれます。計画・設計の段階では「何を作るか」をはっきりさせ、実際に作る段階では「どうやって作り、どう管理していくか」を中心に進めます。

このように順序立てて進めることで、作業の進み具合が把握しやすくなり、品質の高いシステムを予算内で作ることができます。

システム開発の流れに沿って開発するメリット

システム開発を体系的な流れに沿って進めることで、企業は多くのメリットを得られます。ここでは代表的な4つのメリットを解説していきます。

納期・スケジュールを管理しやすくなる

決められた流れに沿って開発を進めることで、各段階の作業範囲と完了条件が明確になり、プロジェクト全体の見通しが良くなります。各段階で何を完成させるか、いつまでに終わらせるかを具体的に決められ、今どこまで進んでいるかが分かりやすくなります。

最初の段階で「何を作るか」をしっかり決めておくことで、後になって「やっぱりこう変えたい」という大きな変更を防ぐことができます。開発会社も過去の類似プロジェクトの経験を活かして、現実的なスケジュールを立てることができ、「この規模なら3か月」といった確実な納期設定が可能になります。

開発コストの削減につながりやすい

決められた流れに沿って開発を進めることで、様々な面からコストを削減できます。最初の段階で要望をしっかり固めておけば、後から「やっぱりこの機能もほしい」「画面の配置を全部変えたい」といった大きな変更を防げます。このような変更が後から発生すると、状況次第では、既に作った部分を壊して作り直すことになり、費用が2倍、3倍とかかってしまいます。

また、各段階で確認作業を行うことで、問題を早めに見つけて対処できます。設計段階で「この機能は実現が難しい」と分かれば、実際に作り始める前に別の方法を考えられ、少ない費用で修正できます。プログラムを作った後に問題が見つかると、修正に何百万円もかかることがあります。

システムの品質担保に取り組みやすくなる

体系的な開発プロセスを採用することで、各段階でのチェック作業が組み込まれ、問題の早期発見が可能になります。作ったプログラムを「部品ごとの動作確認」「部品を組み合わせた確認」「全体での動作確認」「実際の環境での確認」と段階的にテストしていくことで、不具合を見逃すリスクを減らせます。

開発会社が持つ過去の経験から「こうすると失敗しやすい」「この方法なら品質が保ちやすい」といったノウハウも活用できる場面が多数存在します。毎回ゼロから試行錯誤するのではなく、実績のある方法を採用することで、より安定した品質のシステムを目指すことができます。

開発者と事業者間のコミュニケーションが円滑になる

標準的な流れで進めることによって、開発会社と事業者の間での意思疎通がスムーズになります。各段階で「ここまで作りました」「これで良いですか」という確認ポイントが明確になっているため、お互いに何を話し合うべきかがはっきりします。

設計書や画面イメージ、動く試作品などを実際に見ることで、技術的な知識がなくても「このボタンの位置を変えたい」「もっと見やすくしたい」など、具体的な改善点を伝えられるようになります。紙の資料だけでなく、実際に触れるものがあることで、より具体的な議論が可能になります。

このような定期的な確認作業を通じて、事業者の要望と開発会社の理解のズレを早期に発見し、修正できます。開発会社側も、技術的な内容を分かりやすく説明する習慣がつき、お客様との信頼関係が深まっていきます。結果として、両者が同じゴールに向かって協力しやすい環境が整います。

システム開発で用いられる略語を解説

システム開発の現場では、各工程や作業内容を示すために多くの略語が使用されています。開発会社との打ち合わせでこれらの言葉が出てきても慌てないよう、主要な略語の意味を簡単にご紹介します。

略語

正式名称

工程分類

概要

SP

システム企画

企画

どんなシステムが必要か最初に考える段階

SA

要求分析

上流工程

事業者やユーザーの要望を詳しく聞き取る作業

RD

要件定義

上流工程

要望を具体的な機能に変換する作業

BD

基本設計

上流工程

システム全体の構造や画面を設計する作業

UI

UI基本設計

設計工程

画面の見た目や操作方法を設計する作業

ED

外部設計

設計工程

事業者やユーザーから見える部分の設計

DD

詳細設計

設計工程

プログラマー向けの細かい設計書作成

ID

内部設計

設計工程

システム内部の動き方を設計

SS

構造設計

設計工程

システムの全体構造を設計

FD

機能設計

設計工程

個別機能の動作を設計

PD/PS

プログラム設計

実装準備

プログラムの詳細な動作を設計

PG

プログラミング

下流工程

実際にプログラムを書く作業

CD

コーディング

下流工程

プログラムのコードを記述する作業

UT

単体テスト

テスト工程

部品ごとに動作確認する作業

IT

結合テスト

テスト工程

部品を組み合わせて動作確認する作業

PT

総合テスト

テスト工程

システム全体の動作を確認する作業

ST

システムテスト

テスト工程

完成したシステムの最終確認作業

OT

運用テスト

テスト工程

実際の環境での動作確認作業

SCROLL→

システム開発の流れを9ステップで理解する

システム開発は段階的に進められ、各ステップで何を作るかが明確に決まっています。以下、9つのステップに分けて分かりやすく解説します。

要求定義

要求定義は、システム開発の最初のステップです。「何に困っているか」「どんな問題を解決したいか」を明確にする段階です。

実際にシステムを使う現場の方々が中心となって、今の仕事のやり方を詳しく振り返ります。「毎日この作業に2時間かかっている」「月末の集計でいつもミスが起きる」「お客様を待たせてしまう」など、具体的な困りごとを洗い出します。

そして「この作業を30分に短縮したい」「ミスをゼロにしたい」「お客様の待ち時間を半分にしたい」というように、解決したい問題と目標を具体的な数字で表します。この段階では「技術的に可能かどうか」は考えず、純粋に「こうなったら良いな」という理想をまとめます。この要望が、開発会社が実際のシステムを設計する際の出発点となります。

要件定義

要件定義は、要求定義でまとめた「こうしたい」という希望を、実際に作れる具体的な機能に変換するステップです。

ここからは開発会社が中心となって進めます。例えば「検索を早くしたい」という要望を「検索ボタンを押してから3秒以内に結果を表示」「1000件のデータから検索可能」「名前、電話番号、住所で検索できる」といった具体的な仕様に落とし込みます。

画面に何を表示するか、どんなボタンを配置するか、一度に何人が使えるようにするか、システムが止まらずに動く時間の目標(例:99.9%の稼働率)なども、すべて数字や条件で明確に決めます。曖昧な表現を避けることで、完成後に「思っていたのと違う」というトラブルを防ぎます。

なお、システム開発の要件定義について詳しく学びたい方は、システム開発の要件定義を成功させる完全ガイド|失敗しない進め方と注意点を徹底解説も併せてご覧ください。

基本設計

基本設計は、要件定義で決まった機能を実現するための、システム全体の構造を決めるステップです。「何を作るか」から「どういう仕組みで作るか」に視点を変えて、システムの骨組みを設計します。

例えば、顧客管理システムなら「顧客情報管理」「売上管理」「レポート作成」という大きな機能の塊に分けて、それぞれがどう連携するかを決めます。顧客情報を登録したら売上データと自動的に結びつき、月末にはレポートが作成される、といった全体の流れを設計します。

また、データをどこに保存するか、他のシステム(例:会計システム)とどうやってデータをやり取りするか、画面がどんな見た目になるかなども決めます。この段階で作る設計書は、お客様にも「こんなシステムになります」と分かりやすく説明できる内容になっています。

詳細設計

詳細設計は、基本設計で決めたシステムの構造を基に、プログラマーが実際にプログラムを作るための詳しい指示書を作成するステップです。各機能について、技術的な詳細をすべて決めていきます。

例えば、「検索ボタンを押したら結果を表示する」という機能について、「どのデータをどういう順番で検索するか」「検索結果が1000件を超えたらどう表示するか」「データが見つからなかったときに何を表示するか」「エラーが起きたらどう対処するか」など、あらゆる場面を想定して細かく決めます。

また、データをどのような形で保存するか、他のシステムとどうやってデータをやり取りするかなども具体的に決めます。この設計書があれば、プログラマーは迷うことなくプログラムを作ることができます。

実装

実装は、詳細設計書を基に実際にプログラムを作るステップです。設計書に書かれた機能や処理の流れを、プログラミングという作業で実際に動くシステムに仕上げていきます。

プログラマーは設計書の指示に従って、一つ一つの機能を作っていきます。例えば「検索ボタンを押したら3秒以内に結果を表示する」という設計を、実際に動くプログラムにします。

作ったプログラムは、後で修正や改良がしやすいように、整理された分かりやすい形で書きます。また、複数のプログラマーがお互いの作ったものをチェックし合うことで、ミスを減らし品質を高めます。誰がいつ何を変更したかも記録しているため、問題が起きたときに原因を特定しやすくなっています。

単体テスト・結合テスト

単体テスト・結合テストは、作ったシステムがきちんと動くかを段階的に確認するステップです。

単体テストでは、プログラムの部品を一つずつチェックします。例えば「検索機能」「登録機能」「削除機能」をそれぞれ個別に動かして、設計書通りに動くか確認します。検索ボタンを押したら正しく検索できるか、間違ったデータを入力したらエラーメッセージが表示されるかなど、細かくテストします。

結合テストでは、個別にチェックした部品を組み合わせて、全体として正しく動くか確認します。例えば「顧客を登録してから検索すると、登録した顧客が表示されるか」「削除した顧客は検索結果に出てこないか」など、機能同士の連携を確認します。

この段階でしっかりテストすることで、実際に使い始めてから不具合が見つかるリスクを大幅に減らせます。

運用テスト

運用テストは、完成したシステムを実際の環境で問題なく使えるか最終確認するステップです。実際に使う環境と同じ条件で、様々な角度からテストを行います。

例えば、100人が同時にアクセスしても遅くならないか、24時間連続で動かしても問題ないか、停電などのトラブルが起きてもデータが失われないかなど、実際の利用で起こりうる状況を想定してテストします。

また、システムだけでなく、利用マニュアルが分かりやすいか、トラブルが起きたときの対処方法が明確か、日々の管理方法が現実的かなども確認します。このテストをクリアして初めて、お客様が安心して使えるシステムとして完成となります。

リリース

リリースは、すべてのテストに合格したシステムを、実際に使い始める準備をするステップです。今まで使っていたシステムから新しいシステムへ、スムーズに切り替える作業を行います。

具体的には、新システムをセットアップし、既存のデータを移行し、利用者のIDやパスワードを設定します。万が一トラブルが起きたときのために、すぐに元のシステムに戻せる準備や、緊急時の連絡体制も整えておきます。

また、利用者向けの操作マニュアルを配布したり、使い方の説明会を開いたりして、皆がスムーズに新しいシステムを使い始められるようサポートします。この準備をしっかり行うことで、業務を止めることなく新システムへ移行できます。

運用・保守

運用・保守は、システムが動き始めた後も、安定して使い続けられるように管理・改善していく継続的な作業です。

運用業務では、システムが正常に動いているか毎日チェックし、データのバックアップを取り、動作が遅くなっていないか監視します。利用者から「使い方が分からない」「エラーが出た」といった問い合わせがあれば、サポート対応も行います。

保守業務では、見つかった不具合の修正、セキュリティを守るための更新、法律や制度が変わったときの対応、「こんな機能も追加してほしい」という要望への対応などを行います。

例えば、消費税率が変わったらシステムも対応が必要ですし、「スマートフォンでも使いたい」という新しいニーズが出てくれば機能追加を検討します。このように、システムは完成後も会社の成長や環境の変化に合わせて育てていく必要があります。

システム開発の流れに入る前に準備したいこと

システム開発を成功させるには、実際の開発を始める前の準備が大切です。しっかりと準備することで、プロジェクトの方向性が明確になり、適切な開発会社を選ぶことができます。以下、3つの重要な準備事項について説明します。

提案依頼書の作成

提案依頼書(RFP)は、開発会社に「こんなシステムを作りたい」と伝えるための資料です。複数の会社から見積もりを取るときに、同じ条件で比較するために必要になります。

具体的には、なぜシステムが必要なのか、今どんな問題があるのか、どんな機能がほしいのか、予算はいくらくらいか、いつまでに完成させたいか、などを書きます。例えば「毎月の売上集計に3日かかっているのを半日に短縮したい」「予算は500万円以内」「来年4月から使い始めたい」というように、具体的に記載します。

詳しく書いておけば、開発会社も正確な見積もりを出しやすくなり、後から「これは含まれていません」という追加費用のトラブルを防げます。

開発会社との契約形態を確認

システム開発の契約には大きく分けて「請負契約」と「準委任契約」の2種類があり、どちらを選ぶかで進め方が大きく変わります。

請負契約は「完成品を納品してもらう」契約です。最初に決めた仕様通りのシステムを、決められた金額で作ってもらいます。要望がはっきりしていて、途中で変更が少ない場合に適しています。

準委任契約は「作業時間に対して支払う」契約です。月額いくらという形で、相談しながら一緒に作っていきます。要望がまだ曖昧で、作りながら決めていきたい場合に適しています。

どちらの契約にするかで、責任の範囲や費用の計算方法が変わるため、プロジェクトの性質に合わせて選ぶことが重要です。

複数の開発会社に見積もりをとって比較

一社だけでなく、必ず複数の会社から見積もりを取って比較検討しましょう。比較するポイントは金額だけではありません。

見積もりの内訳が詳しく書かれているか、スケジュールは現実的か、過去に似たようなシステムを作った実績があるか、担当者の説明は分かりやすいか、質問にきちんと答えてくれるか、完成後のサポート体制はどうか、などを総合的に評価します。

極端に安い見積もりには注意が必要です。必要な作業が省かれていたり、後から追加費用が発生したりする可能性があります。実際に会って話をして、信頼できる会社かどうかを見極めることが、プロジェクト成功の鍵となります。

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システム開発は、単にプログラムを作るだけでなく、会社の仕事を効率化し、成長を支える重要な投資です。最初の要望整理から完成後の管理まで、きちんとした流れを理解し、自社に合った進め方を選ぶことが成功への第一歩となります。

開発会社を選ぶときは、技術力だけでなく、プロジェクトをきちんと管理できるか、品質を保証する体制があるか、完成後もしっかりサポートしてくれるかなど、様々な角度から検討することが大切です。また、専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれるか、お客様の業務をきちんと理解しようとしてくれるかも、良いシステムを作る上で重要なポイントです。

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