用語集
2026.04.06

API連携とは?活用例・メリット・開発を依頼する際の注意点をわかりやすく解説


API連携とは?活用例・メリット・開発を依頼する際の注意点をわかりやすく解説

社内に複数のシステムを導入したものの、データの受け渡しが手作業になっている——そんな状況に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。販売管理システムで確認した受注情報を、別の在庫管理システムに手入力する。会計システムへの転記もまた手動で行う。毎日の二重入力、三重入力が当たり前になっていると、いつかミスが起きる不安は常につきまといます。

「API連携でシステムをつなげる」という話は耳にしたことがあるかもしれません。しかし、「APIってそもそも何?」「自社のシステムに使えるの?」「どこに相談すればいいの?」と、疑問が山積みで動けないという方も多いはずです。

この記事では、API連携とは何か・どんな仕組みなのかを非技術者の方にもわかりやすく解説します。活用例やメリット・デメリットをお伝えするとともに、開発を外注する際に何を確認すれば失敗しないか、発注者の視点で具体的に説明します。

「APIの概念は理解した。次にどう動けばいいか」まで読んだ後に明確になることを目指して書いています。

石川瑞起
執筆者
秋霜堂株式会社 代表 石川瑞起
中学生でプログラミングを独学で習得し、HP制作やアプリ開発の事業を開始。 大学入学後に事業を売却し、トヨクモ株式会社へ入社。 3年間にわたり1製品の開発責任者を務めたのち秋霜堂株式会社を設立し、多数の企業をサポートしている。
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失敗しないためのシステム開発の考え方と開発パートナー選定チェックリスト

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この資料でわかること

システム開発で失敗しないための考え方と、開発パートナーを選定する際のチェックリストをご紹介します。

こんな方におすすめです

    API連携とは?仕組みをわかりやすく解説

    APIとは何か(システム間の窓口)

    API(Application Programming Interface)とは、異なるシステムやソフトウェアが互いに通信・連携するための「窓口(インターフェース)」です。

    少しわかりにくい言葉なので、業務に置き換えてイメージしてみましょう。たとえば、社内の「販売管理システム」と「在庫管理システム」が別々に存在しているとします。この2つのシステムがAPIという窓口を持っていれば、片方のシステムでデータが更新されると、もう片方にも自動的に情報が伝わります。これが「API連携」の基本的な考え方です。

    APIを持つシステムは、外部から決まった形式でリクエストを受け取り、決まった形式でレスポンスを返します。この「受け取り方・返し方のルール」がAPIの仕様であり、この仕様が公開されているシステム同士であれば連携が可能です。

    API連携の仕組み(リクエストとレスポンスのイメージ)

    API連携の基本的な動きは、「リクエスト(依頼)」と「レスポンス(回答)」の繰り返しです。

    たとえばECサイトで商品を購入するとき、以下のような流れが裏側で動いています。

    1. ECサイトが決済システムの「支払いAPIに」「この金額を決済してください」とリクエストを送る
    2. 決済システムが処理を実行し「決済が完了しました(または失敗しました)」とレスポンスを返す
    3. ECサイトが結果を受け取り、ユーザーに「ご購入ありがとうございます」と表示する

    この一連のやり取りは、多くの場合1秒以内に完了します。ユーザーが「購入ボタンを押す」という操作の裏で、複数のシステムがAPIを通じてリアルタイムに連携しているのです。

    よく聞くAPI連携の種類

    API連携にはいくつかの方式があります。発注時に会話する機会があるかもしれないため、大まかなイメージだけ押さえておきましょう。

    REST API(レストAPI) 現在最も広く使われる方式です。HTTPという標準的なプロトコルで通信するため、ほとんどのシステムに対応しやすく、クラウドサービス(Salesforce、kintone、freeeなど)のAPIはほぼこの方式です。

    Webhook(ウェブフック) 「何かが起きたら自動的に通知する」仕組みです。たとえば、「新しい受注が入ったら即座に在庫システムに通知する」という用途に向いています。リアルタイム性が必要な連携に使われます。

    バッチ連携 一定のタイミング(例: 毎夜0時)でまとめてデータを同期する方式です。リアルタイム性は必要ありませんが、大量データを効率的に処理したい場合に選択されます。

    どの方式が自社に合うかは、「どんなデータを」「どのタイミングで」連携したいかによって決まります。この判断は開発会社との相談の中で整理できますので、今の段階では「方式が複数ある」という程度の理解で問題ありません。

    API連携の主な活用例・ユースケース

    API連携の活用例を、「自社に近いケースがあるか」という観点で見てみましょう。課題と目的をセットで確認することで、「うちでも使えそう」という感覚を掴んでいただけます。

    ECサイト・決済システムへの連携

    典型的な課題: 自社ECサイトでの決済処理を安全に行いたいが、独自の決済システムを構築するのはコスト・セキュリティ面で現実的ではない。

    API連携の活用: Stripe、PayPal、SquareなどのクレジットカードAPIと連携することで、決済機能をゼロから開発することなく、数週間〜数ヶ月で安全な決済機能を実装できます。PCI DSS(クレジットカードセキュリティ基準)への対応も、API提供元に委ねられるため、セキュリティ面の不安を大幅に軽減できます。

    SaaS間のデータ自動連携

    典型的な課題: 顧客情報をSFAで管理し、請求書はfreeeで発行しているが、毎回手入力で転記している。入力ミスも多く、担当者の負担になっている。

    API連携の活用: SFAと会計・請求書ソフトをAPI連携させることで、商談が成約した時点で自動的に請求書の下書きが作成されます。人的ミスの削減と、担当者が本来の業務(営業活動)に集中できる環境が実現します。

    HubSpot、Salesforce、kintone、freee、マネーフォワードクラウドなど、主要なクラウドサービスは多くの場合APIを公開しており、互いの連携実績も豊富です。

    基幹システム・社内システムとの連携

    典型的な課題: 長年使ってきた基幹システム(在庫管理、生産管理、販売管理など)と、新しく導入したSaaSがバラバラに動いており、二重入力が常態化している。

    API連携の活用: 基幹システムにAPIが用意されている場合、またはAPI連携機能を追加開発する場合、新しいSaaSとのデータ自動連携が可能になります。たとえば「受注情報が基幹システムに登録されたら、自動的に在庫を引き当て、物流システムに出荷指示を送る」という一連の流れを自動化できます。

    ただし、古い基幹システムやスクラッチ開発のシステムは、APIを持っていない場合も多いです。この場合、API連携機能の追加開発や、データベース直接連携などの別手段を検討することになります(開発会社に相談して現状を確認するのが最初のステップです)。

    外部データの取得・活用

    典型的な課題: 配送エリアを地図上で管理したい、天候データと販売データを組み合わせて需要予測をしたい。

    API連携の活用: Google Maps API(地図・位置情報)、気象庁API(天気データ)、e-Stat API(政府統計データ)など、外部のデータソースと連携することで、自社システムに豊富なデータを取り込めます。これらの多くは無料または低コストで利用でき、自社でデータを収集・管理するコストを省けます。

    API連携のメリットと注意すべきデメリット

    API連携の主なメリット

    開発コストの削減と短期間での実装

    決済処理・地図機能・認証機能などを外部APIで賄うことで、ゼロから開発する工数を大幅に削減できます。数ヶ月かかる開発が数週間で完了するケースも珍しくありません。開発費用の削減と、事業開始・機能リリースまでの期間短縮が同時に実現します。

    業務効率化と人的ミスの防止

    手動での二重入力・転記作業が不要になることで、入力ミスのリスクが下がります。担当者はデータ入力ではなく、判断や顧客対応など付加価値の高い業務に時間を使えるようになります。

    セキュリティレベルの担保

    決済処理や個人情報取り扱いなど、高度なセキュリティが要求される機能を外部の専門サービスに委ねることで、自社での実装・維持コストを省きながらセキュリティ水準を確保できます。

    スケーラビリティの確保

    ビジネスの成長に合わせて、新たなAPIを追加連携することで機能拡張が容易になります。モジュール(部品)を組み合わせる感覚でシステムを構築できるため、変化への対応がしやすくなります。

    API連携のデメリット・リスク

    API提供元の仕様変更・サービス終了リスク

    外部サービスのAPIを使う場合、提供元の都合でAPI仕様が変更されることがあります。仕様変更に対応するための改修コストが発生したり、最悪の場合は連携機能が突然動かなくなるリスクがあります。サービスが終了した場合は、代替手段への移行が必要です。

    これは、API連携を採用する上で最も重要なリスクです。発注時には「API仕様変更時の対応コストはどの程度か」「サービス終了時のリスクヘッジはどう考えるか」を開発会社と事前に話し合うことをお勧めします。

    障害の影響が連鎖するリスク

    連携している外部サービスが障害を起こすと、自社サービスにも影響が及ぶ可能性があります。「外部の決済サービスが落ちて購入できない」「連携しているSaaSのAPIが一時停止して業務が止まった」といった状況が起こりえます。

    システムの重要度に応じて、「外部APIが使えない場合の代替手順」を設計しておくことが重要です。

    費用が想定を超えることがある

    多くの外部APIは、利用量(リクエスト数)に応じた従量課金制です。利用が増えるにつれてコストが増加するため、事前に想定利用量とコストを見積もっておくことが必要です。また、無料プランで開発・テストを始めても、本番稼働後に有料プランへの移行が必要になるケースがあります。

    API連携の開発を外注する際の注意点

    いよいよ「開発会社に相談したい」という段階に入る前に、以下のポイントを整理しておきましょう。事前に整理できているかどうかが、見積もりの精度と開発の成功率に大きく影響します。

    相談前に整理しておくべき3つのこと

    1. 連携したいシステムの名称とバージョン

    「A社の販売管理システム(製品名・バージョン)と、B社のCRM(製品名)を連携したい」のように、具体的なシステム名を調べておきましょう。システムがAPIを公開しているかどうか、どの方式のAPIかによって開発難易度と費用が大きく変わります。

    特に「社内で独自開発されたシステム」「10年以上前に導入した基幹システム」などはAPIが用意されていない場合があります。開発会社はシステム名を確認することで、事前に調査・判断ができます。

    2. 何のためにつなぐのか(目的とデータの流れ)

    「販売システムの受注データを、会計システムに自動で連携したい」「CRMに顧客が登録されたら、メール配信システムに自動でリストを追加したい」のように、「どのデータを」「どのタイミングで」「どちらからどちらへ」流したいかを言語化しておきます。

    この情報があると、開発会社は技術的な実現可能性と工数を正確に見積もれます。

    3. 連携の頻度・リアルタイム性の要件

    「1時間ごとにバッチでデータを同期すれば十分」なのか、「受注が入ったらリアルタイムで在庫に反映させたい」のか。リアルタイム性の要件によって、採用する技術(前述のバッチ連携 / Webhook 等)と開発コストが変わります。

    開発会社を選ぶ際に見るべき実績・体制

    連携実績の確認

    「同じシステム間(または似たシステム間)の連携経験があるか」は、重要な判断基準です。経験がある開発会社は、事前に課題を把握しており、トラブル時の対応も早いです。

    秋霜堂株式会社では、基幹システム連携・SaaS間連携・決済API連携など、多岐にわたるAPI連携開発の実績があります。「うちのシステムでできるか?」という段階からご相談いただけます。

    保守・運用体制

    開発が完了した後の保守体制も確認が必要です。「API仕様変更への対応」「障害発生時の一次対応」「機能追加要望への対応」をどのような体制・費用感で受けてもらえるかを、契約前に確認しましょう。

    見積もり・費用でよくある誤解

    「API連携の費用はどのくらいか」

    API連携開発の費用は、連携するシステムの種類・連携方向(一方向か双方向か)・リアルタイム性の要件・対象システムのAPI仕様の複雑さによって大きく異なります。

    一般的な目安として、シンプルな一方向連携(SaaS間のデータ同期)であれば数十万円から、双方向・リアルタイム連携や独自システムとの連携が絡む場合は100万〜500万円以上になることもあります。詳しい費用の考え方については、LLM API連携開発の費用・内製vs外注の判断基準も参考にしてください。

    「安い見積もりがいい見積もり」ではない

    API連携開発で費用を抑えようとした結果、「仕様変更への対応は別料金」「運用・保守は対応範囲外」「障害時の調査は時間工数で請求」という状況になるケースがあります。

    初期費用の安さだけでなく、「開発後のランニングコストとリスクが適切に見積もられているか」を確認することが、長期的なコスト最適化につながります。

    内製か外注かの判断基準

    「社内エンジニアがいるなら内製でもできるのでは」と考える方もいるかもしれません。内製・外注のどちらが適しているかは、「保守継続性」「スピード」「コスト」の3軸で判断するのが基本です。

    API連携の内製・外注判断の詳しい考え方については、LLM API連携開発の内製vs外注判断フレームワークで解説しています。

    まとめ・次のアクション

    本記事のポイントを整理します。

    • API連携とは: 異なるシステム間をつなぎ、データやリクエストを自動的にやり取りする仕組み
    • 主な活用例: 決済連携・SaaS間データ同期・基幹システム連携・外部データ活用
    • メリット: 開発コスト削減・業務効率化・セキュリティ担保・拡張性の向上
    • デメリット: API仕様変更リスク・障害連鎖リスク・従量課金コストの増大
    • 外注の際の注意点: 相談前に「システム名・目的・データの流れ・リアルタイム性要件」を整理し、保守体制と費用構造を確認する

    「自社のシステムをAPI連携したい」と感じている方への次のアクションは、まず開発会社に現状を話してみることです。「どのシステムをつなぎたいか」「何のためにつなぎたいか」を伝えるだけで、技術的な実現可能性と大まかな費用感の感触を掴めます。

    また、2026年現在、デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の申請が受け付けられています。API連携を含むシステム開発・導入に対して補助率1/2〜最大80%(要件充足時)、最大450万円の補助が受けられる可能性があります(中小企業庁・デジタル化・AI導入補助金2026)。補助金を活用した費用最適化についても、相談の際に確認してみてください。

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