claude-memとは?Claude Codeに永続メモリを追加するOSSプラグインの特徴と選び方

Claude Codeを使い続けているうちに、あるもどかしさを感じたことはありませんか。先週のコーディングセッションで「なぜこのアーキテクチャを選んだのか」を議論したはずなのに、新しいセッションを開くと Claude はその経緯を覚えていない。同じ説明を繰り返し、同じ設計判断を再び伝え直す、という作業が積み重なっていきます。
この問題を解決するために登場したのが claude-mem(GitHub: thedotmack/claude-mem)です。2026年4月時点で62,600以上のスターを獲得し、Claude Code ユーザーの間で急速に広まっているプラグインです。
ただ、「便利そうだけど本当に自分のプロジェクトに必要か」「Anthropic 純正の Auto memory とどう違うのか」という疑問も多く聞かれます。本記事では、ドキュメントベースで claude-mem の仕組み・機能・インストール方法・類似ツールとの比較を整理し、あなたの意思決定をサポートします。

目次
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claude-memとは?Claude Code用の永続メモリプラグイン

claude-mem は、Claude Code のコーディングセッション中に Claude が行ったすべてのツール呼び出しを自動キャプチャし、AI(Claude の agent-sdk)で圧縮・要約した上で、将来のセッションに関連コンテキストを注入するプラグインです。
公式リポジトリは https://github.com/thedotmack/claude-mem で公開されています。
このプラグインが解決する課題
Claude Code はデフォルトでセッション間の記憶を持ちません。新しいセッションを開くたびにコンテキストはリセットされ、「先週決めたアーキテクチャ」「バグ修正の経緯」「採用した命名規則の理由」などは毎回説明し直す必要があります。
claude-mem はこの問題を「自動キャプチャ」と「セマンティック検索による関連コンテキスト注入」によって解決しようとします。
リポジトリ基本情報
公式リポジトリ(README より)から取得した基本情報は次の通りです:
項目 | 値 |
|---|---|
リポジトリ | github.com/thedotmack/claude-mem |
スター数 | 62,619(2026-04-19 時点) |
フォーク数 | 5,239 |
主要言語 | TypeScript 83.2% |
ライセンス | AGPL-3.0(ragtime ディレクトリは PolyForm Noncommercial License 1.0.0) |
最終更新 | 2026-04-19(活発にメンテナンス中) |
リリース数 | 232(最新: v12.2.0) |
ライセンスに関する注意: 本体は AGPL-3.0 ライセンスです。AGPL-3.0 はコピーレフト型ライセンスであり、修正・配布する場合はソースコードの公開が必要です。また、ragtime ディレクトリは PolyForm Noncommercial License 1.0.0(非商用限定)のため、商用プロジェクトへの組み込みには法的確認を推奨します。詳細は ライセンスページ を参照してください。
claude-memの主要機能と仕組み

公式 README(How It Works セクション)によると、claude-mem は次の 5 つの主要機能を持ちます:
- 永続的なメモリ(Persistent Context): セッション間でプロジェクトの知識を維持
- 段階的な情報開示(Progressive Disclosure): トークンコストを可視化しながら層別にメモリを取得
- スマートサーチ(Smart Search): mem-search スキルで自然言語クエリが可能
- Web UI ビューア: http://localhost:37777 でリアルタイムにメモリストリームを確認
- プライバシー制御:
<private>タグで機密コンテンツを除外
セッション間でメモリを保持する仕組み(ライフサイクルフック)
ドキュメントによると、claude-mem は次の 5 つのライフサイクルフックを使用して動作します:
- SessionStart: セッション開始時に過去のコンテキストを注入
- UserPromptSubmit: プロンプト送信時に関連メモリを検索して注入
- PostToolUse: ツール呼び出し後に結果を記録
- Stop: 停止時にデータを保存
- SessionEnd: セッション終了時にメモリを圧縮・保存
これらのフックにより、手動操作なしで自動的にセッション間のコンテキストが維持されます。
SQLite + Chroma ベクトル DB によるハイブリッド検索
データ保存には SQLite を、セマンティック検索には Chroma ベクトルデータベースが使用されます。この組み合わせにより、キーワード一致だけでなく意味的な類似性に基づく検索が可能です。
3 層のワークフローでトークンを効率化します:
- search: インデックス検索(約 50〜100 トークン)
- timeline: 検索結果周辺の時系列コンテキスト取得
- get_observations: フィルタリング後の詳細取得
ドキュメントでは「詳細取得前にフィルタリングを行うことで、約 10 倍のトークン節約が可能」と説明されています。
Web UI ビューアとプライバシー制御
http://localhost:37777 でリアルタイムのメモリストリームを確認できます。また、<private> タグで囲んだコンテンツはキャプチャ対象から除外されるため、API キーや個人情報などの機密情報を保護できます。
claude-memのインストール方法
公式 README の インストールセクション では、次の 2 つの方法が紹介されています。
動作要件
要件 | バージョン |
|---|---|
Node.js | 18.0.0 以上 |
Claude Code | プラグインサポート付き |
Bun | 必要に応じて自動インストール |
SQLite 3 | バンドル済み |
uv パッケージマネージャー | 別途必要 |
インストール手順
方法 1: npx コマンド(推奨)
npx claude-mem install
Gemini CLI ユーザーの場合:
npx claude-mem install --ide gemini-cli
(出典: https://github.com/thedotmack/claude-mem#installation)
方法 2: Claude Code マーケットプレイス経由
/plugin marketplace add thedotmack/claude-mem
/plugin install claude-mem
(出典: https://github.com/thedotmack/claude-mem#installation)
基本的な設定
設定ファイルは ~/.claude-mem/settings.json で管理されます。CLAUDE_MEM_MODE 設定で言語モードを切り替えることができます(例: code--zh で中国語モード)。
claude-memと類似ツールの比較

claude-mem を検討するにあたり、比較対象として主要な 2 つのツールを取り上げます。
Anthropic 純正「Auto memory」との比較
Auto memory は Claude Code の組み込み機能で、~/.claude/projects/<project>/memory/MEMORY.md にマークダウン形式でメモを記録し、毎セッションの最初の 200 行をシステムプロンプトに注入します(参考: claude-mem vs auto memory)。
観点 | claude-mem | Auto memory |
|---|---|---|
提供形態 | OSSプラグイン | Anthropic 純正組込機能 |
セットアップ | 複数依存関係(Bun、SQLite 等) | 環境変数 1 つのみ |
データ保存 | SQLite + Chroma DB | Markdown ファイル |
検索機能 | セマンティック + キーワード検索 | なし(注入のみ) |
リアルタイム性 | 各ツール呼び出しを即時記録 | セッション単位 |
安定性 | 複数プロセス管理(不安定報告あり) | シンプルで安定 |
向いている用途 | 長期・複雑なプロジェクト | 短期・シンプルな用途 |
claude-memory-compilerとの比較
claude-memory-compiler(810 スター)は、セッション終了後にログをバッチ処理で「知識記事」にコンパイルするアプローチです。Karpathy の LLM Knowledge Base アーキテクチャに着想を得ており、ベクトル DB なしでマークダウンインデックス検索を行います。
観点 | claude-mem | claude-memory-compiler |
|---|---|---|
スター数 | 62,619 | 810 |
言語 | TypeScript | Python |
記録方式 | リアルタイム(フック) | 日次バッチコンパイル |
検索 | セマンティック + キーワード | 構造化インデックス |
複雑さ | 高(複数プロセス) | 中 |
ライセンス | AGPL-3.0 / PolyForm NC | MIT |
比較まとめ
3 つのツールをまとめると次の通りです:
観点 | claude-mem | Auto memory | claude-memory-compiler |
|---|---|---|---|
提供主体 | OSS(thedotmack) | Anthropic 純正 | OSS(coleam00) |
セットアップ難易度 | 高 | 低 | 中 |
検索精度 | 高(セマンティック) | なし | 中(インデックス) |
安定性 | 中(複数プロセス) | 高 | 高 |
向いている規模 | 長期・大規模 | 短期・小規模 | 中期・中規模 |
claude-memの利用に向いているプロジェクト・注意点
claude-memが活躍する場面
claude-mem がその価値を発揮するのは、次のような状況です:
- 数週間〜数カ月にわたる長期プロジェクト: 過去の意思決定・技術選定の理由・バグ修正の経緯などが積み重なる場合
- 複数の設計判断が絡み合うプロジェクト: アーキテクチャの変遷を検索して過去のコンテキストを引き出したい場合
- チーム共有が必要なプロジェクト: セッションをまたいでコンテキストを共有したい場合
実際のユーザー報告では、claude-mem を使うことでタスク完了時間が 10〜11 分から 1〜2 分に短縮されたケースもあると紹介されています(複雑な状態を持つ長期プロジェクトにおいて)。
Auto memoryで十分な場面
一方で、次のような場合はより軽量な Auto memory の方が適しています:
- 短期のプロジェクト(数日〜1 週間程度)
- セッション間で共有したいコンテキストが少ない場合
- セットアップの手間を最小化したい場合
- 依存関係を増やしたくないプロジェクト
Auto memory は環境変数 1 つで設定でき、依存関係がないため、まずこちらを試してから claude-mem の必要性を判断することをお勧めします。
ライセンスと商用利用の注意点
claude-mem は AGPL-3.0 ライセンスを採用しています。AGPL-3.0 は次の点に注意が必要です:
- プラグインを改変して配布する場合はソースコードの公開が必要
- ネットワーク越しにサービスとして提供する場合もソースコード公開義務が生じる(AGPL の特徴)
- ragtime ディレクトリの PolyForm Noncommercial License 1.0.0 は非商用限定
商用プロジェクトに組み込む場合は、法務担当者への相談を推奨します。詳細は 公式ライセンスページ で確認してください。
まとめ
claude-mem は、Claude Code のセッション間コンテキスト消失という課題を解決するために設計された OSS プラグインです。SQLite + Chroma DB による高精度なセマンティック検索と 5 つのライフサイクルフックによる自動キャプチャが特徴で、62,600 以上のスターを獲得しています。
導入を判断する際のポイントをまとめると:
- 長期・複雑なプロジェクトで過去の意思決定を検索したい → claude-mem が適している
- 短期プロジェクトや軽量な用途 → Anthropic 純正 Auto memory から始めることを推奨
- 商用利用を検討している → AGPL-3.0 と PolyForm Noncommercial ライセンスを確認してから導入を判断する
詳細や最新情報は公式リポジトリ https://github.com/thedotmack/claude-mem を参照してください。
時間を自由に
挑戦と成長を共にできるメンバーとの出会いをお待ちしています。









