free-claude-code とは何か
free-claude-code は、Claude Code の Anthropic API 呼び出しをドロップイン・プロキシとして別のモデルプロバイダーにルーティングするオープンソースツールです。
Claude Code は強力な AI コーディングエージェントですが、本番運用や個人開発での継続利用には Anthropic API の従量課金が発生します。free-claude-code を使うと、NVIDIA NIM・OpenRouter・DeepSeek・LM Studio・llama.cpp・Ollama といった無料または低コストのバックエンドを Claude Code のモデルエンジンとして使用できます。
2026年5月時点でのリポジトリの状況は以下の通りです:
- スター数: 19,267(同日付けでもアクティブにコミットが続いている)
- フォーク数: 2,745
- 言語: Python
- ライセンス: MIT
- 最終更新: 2026-05-01T05:01:41Z
MIT ライセンスでアクティブに開発されており、採用リスクは低いと判断できます。
出典: https://github.com/Alishahryar1/free-claude-code
free-claude-code の仕組み
アーキテクチャ概要
free-claude-code は FastAPI ベースのローカル HTTP サーバーとして動作します。Claude Code の ANTHROPIC_BASE_URL 環境変数を書き換えることで、リクエスト先を Anthropic の公式 API ではなくローカルのプロキシサーバーに向けます。
Claude Code CLI / VS Code / JetBrains
↓ ANTHROPIC_BASE_URL=http://localhost:8082
free-claude-code プロキシ(FastAPI)
↓ プロバイダーに応じた形式に変換
NVIDIA NIM / OpenRouter / DeepSeek / LM Studio / llama.cpp / Ollama
プロキシが公開するエンドポイントは以下の通りです(README より):
POST /v1/messages— メインの Anthropic Messages API 互換ルートGET /v1/models— Claude Code 2.1.126+ のモデルピッカー対応POST /v1/messages/count_tokens
リクエスト処理フロー
Claude Code からのリクエストはプロキシが以下の順で処理します:
- モデル名の解決: Claude Code が送信する
claude-opus-4・claude-sonnet-4-5・claude-haiku-4-5等のモデル名を、環境変数で設定したプロバイダー固有のモデル ID に変換します - プロバイダー形式への変換: NVIDIA NIM は OpenAI Chat 形式、OpenRouter は Anthropic Messages 形式、DeepSeek は Anthropic 互換エンドポイントと、プロバイダーごとに異なる API 形式への変換を行います
- レスポンスの正規化: thinking blocks・tool calls・token usage メタデータ・プロバイダーエラーを Claude Code が期待する形式に正規化した上で返却します
- SSE ストリーミング対応: Server-Sent Events によるストリーミング応答をそのまま Claude Code に転送します
- ローカル応答の最適化: Claude Code が送信する軽微なプローブリクエスト(ヘルスチェック等)はプロキシがローカルで応答し、上流のレイテンシとクォータ消費を節約します
PLAN.md に記載されたモジュール構成は以下の通りです:
api/ HTTP ルート、リクエスト調整、モデルルーティング
providers/ 上流モデルアダプター、リクエスト変換、ストリーム処理
messaging/ Discord/Telegram アダプター、コマンド処理
cli/ パッケージエントリポイント、Claude CLI サブプロセス管理
config/ 環境設定、ログ設定
smoke/ 製品テストシナリオ
出典: https://github.com/Alishahryar1/free-claude-code/blob/main/PLAN.md
対応プロバイダー 6 種の選び方
6 種類のプロバイダーはコスト・取得難易度・用途が異なります。用途に応じて選択してください。
プロバイダー | コスト | 取得方法 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
NVIDIA NIM | 無料枠あり(40req/分) | API キー要(build.nvidia.com) | GLM・Kimi 等の高品質モデル |
OpenRouter | 無料モデルあり | API キー要(openrouter.ai) | 幅広いモデルを試したい |
DeepSeek | 安価 | API キー要(platform.deepseek.com) | R1 等の高性能モデル |
LM Studio | 完全無料 | ローカルサーバー起動 | プライバシー重視・オフライン |
llama.cpp | 完全無料 | ローカルサーバー起動 | 軽量環境向け |
Ollama | 完全無料 | ローカルサーバー起動 | 手軽なローカル推論 |
各プロバイダーの設定例
以下は README からの抜粋です。
NVIDIA NIM を使う場合(API キーの取得):
NVIDIA_NIM_API_KEY="nvapi-your-key"
MODEL="nvidia_nim/z-ai/glm4.7"
ANTHROPIC_AUTH_TOKEN="freecc"
出典: https://github.com/Alishahryar1/free-claude-code/blob/main/README.md
OpenRouter を使う場合(無料モデル一覧):
OPENROUTER_API_KEY="sk-or-your-key"
MODEL="open_router/stepfun/step-3.5-flash:free"
ANTHROPIC_AUTH_TOKEN="freecc"
出典: https://github.com/Alishahryar1/free-claude-code/blob/main/README.md
Ollama(ローカル)を使う場合:
OLLAMA_BASE_URL="http://localhost:11434"
MODEL="ollama/llama3.1"
ANTHROPIC_AUTH_TOKEN="freecc"
出典: https://github.com/Alishahryar1/free-claude-code/blob/main/README.md
ANTHROPIC_AUTH_TOKEN はプロキシがローカルで使う認証トークンであり、Anthropic のアカウントとは無関係です。任意の文字列で構いません。
セットアップ手順
必要なものは Claude Code 本体・uv・Python 3.14 の 3 つです。
インストール(macOS/Linux)
# uv のインストール
curl -LsSf https://astral.sh/uv/install.sh | sh
uv self update
uv python install 3.14
# リポジトリのクローン
git clone https://github.com/Alishahryar1/free-claude-code.git
cd free-claude-code
cp .env.example .env
# .env を編集し、使用するプロバイダーの API キーと MODEL を設定
出典: https://github.com/Alishahryar1/free-claude-code/blob/main/README.md
パッケージとしてインストールする場合は以下のコマンドも使えます:
uv tool install git+https://github.com/Alishahryar1/free-claude-code.git
fcc-init
出典: https://github.com/Alishahryar1/free-claude-code/blob/main/README.md
プロキシの起動
uv run uvicorn server:app --host 0.0.0.0 --port 8082
Claude Code との接続
CLI の場合:
ANTHROPIC_AUTH_TOKEN="freecc" ANTHROPIC_BASE_URL="http://localhost:8082" claude
VS Code 拡張機能の場合(settings.json に追記):
"claudeCode.environmentVariables": [
{ "name": "ANTHROPIC_BASE_URL", "value": "http://localhost:8082" },
{ "name": "ANTHROPIC_AUTH_TOKEN", "value": "freecc" }
]
出典: https://github.com/Alishahryar1/free-claude-code/blob/main/README.md
よくあるトラブル
ANTHROPIC_BASE_URLの末尾に/v1を付けない(正しい値:http://localhost:8082)- llama.cpp や LM Studio で HTTP 400 が返る場合 →
/v1/messagesへの対応とコンテキストサイズを確認 - ストリーミング中の接続断 → 上流プロバイダーの一時的な問題の可能性があります
高度な設定 — マルチプロバイダーモデルルーティング
Claude Code が使用する 3 つのモデルティア(Opus・Sonnet・Haiku)をそれぞれ異なるプロバイダーに振り分けることができます。
MODEL_OPUS="nvidia_nim/moonshotai/kimi-k2.5"
MODEL_SONNET="open_router/deepseek/deepseek-r1-0528:free"
MODEL_HAIKU="lmstudio/unsloth/GLM-4.7-Flash-GGUF"
MODEL="nvidia_nim/z-ai/glm4.7"
出典: https://github.com/Alishahryar1/free-claude-code/blob/main/README.md
MODEL はフォールバックとして機能し、MODEL_OPUS 等が未設定の場合に使われます。コスト最適化として「思考量が多い Opus タスクは品質優先のクラウドモデル、応答速度優先の Haiku タスクはローカルモデル」という使い分けが可能です。
無料プロバイダーにはレート制限を設定することが推奨されています:
PROVIDER_RATE_LIMIT=1
PROVIDER_RATE_WINDOW=3
PROVIDER_MAX_CONCURRENCY=5
類似 OSS との比較
CLIProxyAPI との違い
CLIProxyAPI(スター数 30,079)は「Claude Code・Gemini CLI・ChatGPT Codex などの CLI ツールを OpenAI 互換 API として公開する」ツールです。
free-claude-code とは方向が逆です:
- CLIProxyAPI: 「Claude Code → OpenAI 互換 API」(CLI を API として外部公開)
- free-claude-code: 「Claude Code のリクエスト → 別プロバイダーへルーティング」(Claude Code の操作感はそのまま、バックエンドだけ切り替え)
Claude Code を使いながらモデルを切り替えたい場合は free-claude-code、Claude Code を API として他のサービスから呼び出したい場合は CLIProxyAPI が適しています。
antigravity-claude-proxy との違い
antigravity-claude-proxy(スター数 3,546)は Antigravity という特定サービスが提供する Claude/Gemini モデルを Claude Code や OpenClaw で使えるようにするプロキシです。
- antigravity-claude-proxy: Antigravity サービス専用の 1 プロバイダー特化型
- free-claude-code: NVIDIA NIM・OpenRouter・DeepSeek・ローカルモデル等 6 プロバイダー対応の汎用型
特定サービスへの依存を避けたい場合や、複数プロバイダーを組み合わせたい場合は free-claude-code の方が柔軟性があります。
まとめ — 採用判断の基準
free-claude-code は以下のような場面で採用が検討できるツールです:
- Anthropic API の従量課金を避けて Claude Code の機能を試したい個人開発者
- ローカルモデル(Ollama・LM Studio 等)で完全オフラインの Claude Code 環境を構築したい方
- コスト最適化のため Opus/Sonnet/Haiku を異なるプロバイダーに振り分けたいチーム
- Claude Code の機能はそのまま使いながらモデルだけを切り替えたい実験的用途
一方で、以下のケースでは Anthropic の公式 API が引き続き推奨されます:
- 本番プロダクトの AI 品質を最大化したい場合
- Anthropic の公式モデル以外での出力品質の保証が必要な場合
スター数 19,267・MIT ライセンス・2026年5月時点でも当日コミットが確認できる活発な開発状況を踏まえると、実験・個人開発・コスト最適化の用途での採用は十分に現実的な選択肢です。
リポジトリの詳細は https://github.com/Alishahryar1/free-claude-code で確認できます。



