システム開発 完全チェックリスト――発注前・発注中・完了後の3フェーズで使えるチェック集

この資料でわかること
システム開発の外注・発注を初めて経験する担当者や、過去に失敗を経験した担当者が、発注プロセスの各フェーズで「何をチェックすべきか」を明確に把握できるようにする。
こんな方におすすめです
- 初めてシステム開発を外注する担当者
- 過去の発注で失敗を経験した方
- ベンダー選定の基準が分からない方
入力いただいたメールアドレスにPDFをお送りします。
なぜOSSとAPIは混同されやすいのか
システム開発の打ち合わせで、こんな説明を受けた経験はないでしょうか。
「今回のシステムはOSSを活用して開発します」 「外部の決済サービスとはAPIで連携します」
どちらも「システム開発でよく使われる技術用語」として一緒に出てくることが多いため、同じカテゴリの概念だと思われがちです。しかし実際には、OSSとAPIは意味するものが根本的に異なります。
この2つを混同したまま開発会社との打ち合わせに臨むと、提案内容の評価や費用感の把握が難しくなります。本記事では、OSSとAPIそれぞれの意味を整理し、実際のシステム開発でどのように使われるかをわかりやすく解説します。
OSSとは何か
OSSの基本的な意味
OSS(Open Source Software:オープンソースソフトウェア)とは、ソースコード(プログラムの設計図)が公開されており、誰でも自由に使用・改変・再配布できるソフトウェアのことです。
「オープンソース」という名前のとおり、プログラムの中身(ソースコード)が公開されていることが最大の特徴です。通常、ソフトウェアの中身は企業の機密情報として公開されていませんが、OSSはその内容を誰でも確認・利用・改良できる状態にしています。
代表的なOSSの例
OSSはシステム開発のあらゆる場面で活用されています。
分野 | 代表的なOSS |
|---|---|
OS(基本ソフトウェア) | Linux |
CMS(コンテンツ管理) | WordPress |
データベース | MySQL、PostgreSQL |
プログラミング言語 | Python、PHP、Ruby |
フロントエンド | React、Vue.js |
Webサーバー | Apache、nginx |
例えばWordPressは「誰でも無料で使えるWebサイト構築ソフトウェア」として知られていますが、これはOSSだからこそ実現できています。ソースコードが公開されているため、世界中の開発者が改良を重ね、豊富なプラグインやテーマが存在する状態になっています。
システム開発でOSSが使われる理由
OSSが広く活用される主な理由は以下のとおりです。
コスト削減:ライセンス費用が不要なため、高価な商用ソフトウェアの代替として利用できます。
品質の高さ:世界中の開発者が継続的に改良しているため、バグの発見・修正が速く、品質が担保されています。
カスタマイズの自由度:ソースコードを改変できるため、自社の要件に合わせた調整が可能です。
APIとは何か
APIの基本的な意味
API(Application Programming Interface)とは、異なるソフトウェアやシステムが連携するための「窓口(インターフェース)」です。
「インターフェース」とは「接続するための取り決め」を意味します。APIはソフトウェアの機能を外部から利用できるようにするための「決められた接続方法」です。
少しわかりにくい概念なので、身近な例で考えてみましょう。
飲食店に「メニュー」があるように、ソフトウェアにも「このメニュー(機能)が使えます」という案内があります。APIはその「注文の仕方(呼び出し方)のルール」です。お客さん(別のシステム)がメニューに沿って注文すれば、飲食店(提供側のシステム)が料理(データや機能)を提供します。
身近なAPIの例
APIはすでに私たちの身近なサービスで広く使われています。
- 地図表示:「Google Maps API」を使うことで、さまざまなWebサービスがGoogleの地図をそのまま表示できます
- 決済機能:「Stripe API」「PayPay API」を使うことで、ECサイトでオンライン決済ができるようになります
- ログイン機能:「Googleでログイン」「LINEでログイン」は、各サービスのAPIを利用したソーシャルログインです
- 天気予報:アプリに表示される天気情報は、気象サービスのAPIから取得しています
これらはいずれも「別のサービスの機能を、自社のシステムから利用する」という形でAPIが活用されています。
APIの種類
APIにはさまざまな種類がありますが、現代のシステム開発でよく使われるのは「Web API」です。インターネット経由でデータをやりとりするもので、「REST API」「GraphQL」などの形式があります。
OSSとAPIの違いを整理する
ここまで読んでいただければ、OSSとAPIが異なる概念であることがおわかりいただけたと思います。改めて整理すると以下のようになります。
項目 | OSS | API |
|---|---|---|
意味するもの | ソフトウェア(プログラム)そのもの | ソフトウェア間の接続方法・仕様 |
何の概念か | 開発資産・ライセンスの形態 | 機能の使い方・接続の取り決め |
代表的な例 | Linux、WordPress、MySQL | Google Maps API、Stripe API |
ソースコード | 公開されている | 通常は非公開(接続方法のみ公開) |
コスト | 基本無料 | 無料〜有料(使用量に応じる場合あり) |
主な用途 | ソフトウェアの利用・改変・構築 | 外部サービスとの機能連携 |
重要なポイント:OSSとAPIは対立する概念ではなく、組み合わせて使うものです。OSSのソフトウェアがAPIを提供しているケースも多くあります(例:OSSのデータベースにAPIでアクセスする)。
実際のシステム開発での使われ方
OSSとAPIは実際の開発でどのように使われるのでしょうか。具体的なプロジェクトを例に見てみましょう。
事例1:ECサイトの開発
- WordPress(OSS)でサイトの土台を構築
- WooCommerce(OSS)でECショップ機能を追加
- Stripe APIでクレジットカード決済機能を実装
- Google Analytics APIでアクセス解析データを連携
OSSでシステムの骨格を作り、APIで外部サービスの機能を組み込んでいます。
事例2:スマホアプリの開発
- React Native(OSS)でアプリの基盤を開発
- Google Maps APIで地図・位置情報機能を追加
- Firebase API(Google)でプッシュ通知・データ同期を実装
- 各種SNS APIでSNSシェア機能を追加
このように、実際の開発では「OSSかAPIか」という二択ではなく、両方を効果的に組み合わせてシステムを構築します。
発注者として知っておきたいポイント
システム開発を外注する際に、OSSとAPIのどちらを使うかによって確認すべき事項が変わります。
OSSを使う場合の確認事項
ライセンスの確認:OSSにはさまざまなライセンスがあり、商用利用の条件が異なります。代表的なものとして以下があります。
- MITライセンス・Apacheライセンス:制約が少なく商用利用しやすい
- GPLライセンス:利用・改変したソフトウェアを同様のライセンスで公開する義務がある場合があり、慎重な確認が必要
開発会社には「どのOSSを使うか」「そのライセンス条件の確認はしているか」を確認すると安心です。
カスタマイズの範囲:OSSはソースコードを改変できますが、大幅なカスタマイズには技術力が必要です。「どこまでカスタマイズするか」「カスタマイズ後のサポート体制はどうなるか」を確認しましょう。
APIを使う場合の確認事項
API利用料:APIの多くは無料で利用できるプランと有料プランがあります。アクセス数・利用量が増えると料金が発生する場合があるため、予算計画に含める必要があります。
サービス変更・廃止のリスク:APIは提供元企業が仕様を変更したり、サービスを廃止したりする可能性があります。特に依存度の高いAPIについては、代替手段の有無を確認しておきましょう。
利用制限(レート制限):多くのAPIには1日あたり・1分あたりのリクエスト数に上限が設けられています。利用規模が大きくなるとこの制限に引っかかる場合があるため、開発会社に確認することをおすすめします。
まとめ
OSSとAPIの違いを改めて整理します。
- OSS(オープンソースソフトウェア):ソースコードが公開されており、誰でも自由に使用・改変できるソフトウェアそのもの
- API(アプリケーションプログラミングインターフェース):異なるソフトウェアやシステムが連携するための接続方法・仕様
実際のシステム開発では、OSSでシステムの基盤を作りつつ、各種APIで外部サービスの機能を組み込むという形が一般的です。
発注者として大切なのは、「どのOSSを使うか・ライセンス条件の確認はされているか」「どのAPIを使うか・料金体系や廃止リスクはないか」という視点を持って開発会社と話し合うことです。
システム開発の用語や技術的な判断について「何をどう確認すればいいかわからない」とお感じの方は、ぜひ秋霜堂株式会社にご相談ください。構想段階から一緒に考え、発注者の方が安心して意思決定できるよう支援いたします。
※ 関連記事もあわせてご覧ください:
- コードベース全体をAIコンテキストにするOSS「claude-context」の仕組み(技術ブログ: OSSのAIツール活用)
システム開発 完全チェックリスト――発注前・発注中・完了後の3フェーズで使えるチェック集

この資料でわかること
システム開発の外注・発注を初めて経験する担当者や、過去に失敗を経験した担当者が、発注プロセスの各フェーズで「何をチェックすべきか」を明確に把握できるようにする。
こんな方におすすめです
- 初めてシステム開発を外注する担当者
- 過去の発注で失敗を経験した方
- ベンダー選定の基準が分からない方
入力いただいたメールアドレスにPDFをお送りします。



